ビットコインとイーサリアムを完全にスルーした暗号資産ETFが登場しそうです。2025年9月、アメリカの金融市場で「AltAlt Season ETF」という聞き慣れない商品が話題になっています。Tidal Financial Groupが提案したこのETFは、XRPとソラナを中心に2倍レバレッジで運用する、かなりアグレッシブな商品なんです。
そもそもAltAlt Seasonって?
アルトコインシーズンという言葉、聞いたことありますか?ビットコインが上がった後に、イーサリアムや他のアルトコインが追いかけるように値上がりする現象のことです。
でも今回の「AltAlt Season」はさらに一歩進んでいます。ブルームバーグのETFアナリスト、ジェームズ・セイファート氏も「これが何なのか知りたかった」とツイートするほど、業界関係者も首をかしげたそうです。
整理するとこうなります。
- Alt Season ETF:ビットコインだけ除外(イーサリアムは含む)
- AltAlt Season ETF:ビットコインもイーサリアムも除外
- 主な投資対象:XRPやソラナなどの中型アルトコイン
なんというか、メジャーどころを避けて、あえて2番手3番手を狙うような戦略ですね。
SECの規制緩和で何が変わった?
2025年9月17日、SECが暗号資産ETFの一般上場基準を承認しました。これまで個別のETFごとに最大240日かかっていた承認プロセスが、たった75日に短縮されたんです。
これ、単なる時間短縮じゃありません。暗号資産ETF市場が爆発的に成長する前触れかもしれません。
SECの新基準では、暗号資産がETFとして承認されるには次のいずれかを満たす必要があります。
- CFTC規制取引所で6ヶ月以上先物取引の実績
- ISG(市場間監視グループ)メンバー市場での取引
- 既存ETFが該当資産に40%以上エクスポージャー
ブルームバーグのエリック・バルチュナス上級アナリストは「まだ10月にもなってないのに、もう2倍レバレッジのAltAlt Season ETFが出てきた。これからどれだけクレイジーなことが起きるか想像できる?」と興奮を隠せない様子でした。
Tidal Financial Groupってどんな会社?
Tidal Financial Groupは新興企業ではありません。2025年8月時点で450億ドル以上の資産を運用し、270以上のETFを管理する大手ホワイトラベルETFプラットフォームです。2024年だけで50個の新規ETFを立ち上げ、業界記録を更新しています。
彼らが提案した「Quantify 2X Daily AltAlt Season Crypto ETF」は、3つのレバレッジETFのうちの1つです。
- All Cap Crypto ETF:ビットコイン、イーサリアム、XRP、ソラナすべて含む
- Alt Season ETF:ビットコインのみ除外
- AltAlt Season ETF:ビットコインとイーサリアムを両方除外
それぞれ日次リターンを2倍で追跡するよう設計されています。ただし、レバレッジETFの特性上、長期保有すると複利効果で予想と異なる結果になる可能性があるので注意が必要です。
レバレッジ暗号資産ETFのリスクと機会
2倍レバレッジは魅力的ですが、リスクも2倍です。上昇相場では利益が2倍になりますが、下落相場では損失も2倍になります。暗号資産のような変動の激しい市場では特に気をつけないといけません。
主なリスク要因:
- 日次リバランスによる長期保有時の損失累積
- 極端な変動性による清算リスク
- デリバティブ使用に伴うカウンターパーティリスク
SECのキャロライン・クレンショー委員は「検証されていない新商品を急いで市場に出しすぎではないか」と懸念を表明しました。民主党出身で唯一の反対票を投じた彼女の意見も、規制緩和の流れを止めることはできませんでした。
これからどうなる?
業界専門家は今後1年以内に100以上の暗号資産ETFが登場すると予測しています。ソラナ、XRP、ドージコイン、ライトコインなど、様々なアルトコインETFが控えています。
BitwiseのCIO、マット・ホーガン氏は「本当の投資ストーリーがある資産が需要を引き付けるだろう」と述べ、ETFが出ればお金が流れ込むという単純な話ではないと強調しました。
AltAlt Season ETFは、暗号資産市場がより細分化・専門化していることを示しています。ビットコインとイーサリアムが既に機関投資家に十分浸透した今、次はその下のアルトコインが注目される番なのかもしれません。
ただ、高いリターンの可能性と同じくらいリスクも大きいことは忘れないでください。暗号資産投資はまだまだ実験的な側面が強いですから。
こんな感じで、暗号資産ETFの世界も日々進化しているわけです。
Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。