2025年9月、アメリカの金融市場で歴史的な出来事が起きました。ドージコイン(DOGE)がETFとして上場したんです。REX SharesとOsprey Fundsが共同で立ち上げた「REX-Osprey DOGE ETF」(ティッカー:DOJE)は、初日に1,700万ドルの取引高を記録し、市場の注目を集めました。
ケイマン諸島経由?ドージコインETFの独特な仕組み
ドージコインETFは、一般的なビットコイン現物ETFとは違う構造になっています。最大の特徴は、ケイマン諸島に設立した子会社を通じて間接的にドージコインを保有する点です。
このETFは純資産の80%以上をドージコインまたはドージコイン連動金融商品に投資します。残り20%は現金と短期国債で構成され、価格変動リスクを管理しています。
なぜこんな複雑な構造にしたのでしょうか。SECの1940年投資会社法という規制枠組みを活用するためです。この方式により、従来のビットコインETFよりもはるかに早く承認を得られました。
REXとOspreyの役割分担が絶妙な理由
REX Sharesは伝統的な金融商品の専門家、Osprey Fundsは暗号資産の専門家。この組み合わせが功を奏しました。
REXはレバレッジETFやテーマ型ETFの運用経験が豊富で、オプション戦略を使ったリスク管理に長けています。一方、Ospreyはブロックチェーン資産の直接運用やステーキング収益モデルに精通しています。
両社の強みを合わせることで、伝統的な金融市場の安定性と暗号資産市場の革新性を併せ持つ商品が生まれたわけです。
ミームコインが「まともな金融商品」になった日
ドージコインETFの上場がもたらした変化は想像以上に大きいものでした。
まず、年金基金やヘッジファンドなどの機関投資家も、ドージコインに投資できるようになりました。暗号資産ウォレットなしで、普通の証券口座から売買可能です。IRAのような退職金口座にも組み入れられます。
SEC規制下で透明性のある運用がされるため、投資家保護が強化されました。価格操作やラグプルのようなリスクが大幅に減少し、大規模資金の流入により流動性も改善されています。
XRPと比べると見えてくるドージコインETFの特徴
同時期に上場したXRP ETFと比較すると、興味深い違いが浮かび上がります。
ドージコインETFは、ミームコイン特有の高い変動性がそのまま残っています。ソーシャルメディアの影響を大きく受ける構造で、間接保有による追跡誤差リスクも存在します。
対してXRP ETFは、SECとの法的紛争が終結し規制面での明確性を確保。機関投資家の参加がより活発で、直接現物保有により透明性が高くなっています。
両ETFとも1940年投資会社法の保護を受けますが、XRPの方が相対的に安定した投資環境を持っていると評価されています。
実際に投資するなら知っておきたいポイント
ドージコインETFへの投資を検討するなら、次の点を押さえておきましょう。
ETF価格はドージコイン現物価格に連動しますが、年1.5%前後の運用手数料が発生します。デリバティブ活用による追跡誤差も生じる可能性があります。
ポートフォリオの5〜10%以内に抑え、損切りラインを事前に決めておくことが大切です。ミームコインの特性上、短期的な変動性は非常に高いままです。
長期投資というより、戦術的な資産配分ツールとして活用するのが現実的でしょう。
制度化されたとはいえ、ミームコインの本質は変わっていません。高い変動性と投機的な性格を持ち続けているため、慎重なアプローチが必要です。
それでも、ドージコインETFの登場は暗号資産市場に新たな一ページを開きました。ミームコインもウォール街の正式メンバーになったのです。
Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。