イーサリアムが5000ドルの壁を越えられず4300ドルまで落ちたのは、クジラ投資家たちの大規模な売却が原因でした。あるクジラは13,459ETH(約4900万ドル相当)を一度に売却、別のクジラは5504ETH(約1980万ドル)を取引所に送金しています。ビットコインのフラッシュクラッシュも重なって、暗号資産市場全体が揺れました。
クジラたちが5000ドル直前で大量売却したタイミング
5000ドル突破の前後で、大型クジラウォレットから集中的な売却が行われていました。
最初のクジラは約13,459ETHを売却。当時のレートで約4900万ドル規模です。2番目のクジラは5504ETH(約1980万ドル)を取引所へ送金しました。こうした大量の供給が市場に一気に出て、供給過剰な状況が生まれたんです。
複数のクジラが戦略的に1000ETH以上ずつ連続売却するパターンも観察されています。単発の取引ではなく、計画的な処分のように見えます。オンチェーンデータでは、8500ETH以上を短時間で売却した匿名のクジラも確認されました。
5000ドルは強力な心理的抵抗線です。2021年12月以来の最高値更新の試みでしたが、この価格帯で大規模な利益確定が発生しました。
ビットコインのフラッシュクラッシュとの関連
2025年8月初旬にビットコインで起きたフラッシュクラッシュが、イーサリアムの急落に直接影響を与えています。
ビットコインは約27億ドル規模のクジラ売却で価格が急落。11万ドルラインを下回り、市場全体に恐怖心理が広がりました。暗号資産市場の相関関係により、ビットコインの急落はすぐにイーサリアムに波及しています。
ただ、イーサリアムはビットコインより相対的に強い抵抗力を示しました。4700ドル付近である程度の反発を維持し、完全な同時暴落は起きていません。イーサリアム自体のオンチェーン活動と技術的な強さが、価格をある程度防御したと分析されています。
オンチェーンデータが示した急落の前兆
急落前に複数のオンチェーン指標が危険信号を出していました。
取引所へのETH流入量が急増していたんです。特に大型ウォレットから取引所への移動が目立って増加。これは売却準備のシグナルとして解釈されます。
7月の1か月間、イーサリアムネットワークの総取引量は2021年12月以来の最高値を記録。アクティブウォレット数も大幅に増えました。でも価格は5000ドルを超えられなかった。こうした乖離現象は調整の可能性を示唆していました。
平均ガス代が減少し、大型ウォレットの蓄積動向が鈍化。ネットワーク使用量に対してガス代が下がるのは需要減少のシグナルです。
機関投資家のETF資金流入とクジラ売却の衝突
ETFを通じた機関資金流入とクジラ売却が同時に起きる特異な現象が発生しました。
機関投資家たちはETFを通じて週単位で数十万ETHを購入していました。実際にイーサリアムETFには着実な資金流入が確認されています。
一方でクジラたちは短期的な利益確定やポジション調整目的で大規模売却を進めていました。市場ではこれを「洗濯機効果」と呼んでいます。大きな資金が出入りしながら市場参加者が入れ替わる過程です。
二つの勢力の相反する活動で市場のボラティリティが大幅に上昇。機関の買い支えが価格を支える中、クジラ売却が瞬間的な下落を作りました。結果として急激な崩壊ではなく、調整と反発を繰り返すパターンが現れています。
4300ドルラインで価格がそれ以上落ちなかったのは、ETF資金流入の影響と分析されています。
本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。