モルガン・スタンレーが9月利下げ予測、ビットコインはどう動く?

モルガン・スタンレーが9月の0.25%利下げを予測して、暗号資産界隈がざわついています。ジェローム・パウエルFRB議長がジャクソンホールで雇用市場のリスクを強調した後、モルガン・スタンレーは従来の「2026年3月まで金利据え置き」予想を覆し、9月から利下げが始まると修正しました。



利下げがビットコインを動かす3つの仕組み


金利が下がると市場にお金が流れ込みます。銀行融資が受けやすくなり、投資家はより高いリターンを求めてリスク資産に目を向けるようになります。ビットコインはまさにその代表格です。


ドル安になれば相対的にビットコインの価値は上がります。投資家がドル安をヘッジするために、ビットコインのような代替資産を探すからです。実際、過去の利下げ時期を見ると、ビットコインとナスダック技術株の相関係数が0.5以上に上昇していました。


モルガン・スタンレーは9月の利下げ後、12月に追加利下げ、そして2026年まで四半期ごとに0.25%ずつ引き下げて最終的に2.75〜3.0%に到達すると予想しています。CMEフェドウォッチによると、9月利下げの確率は現在約80%です。


短期の変動と長期の上昇、どちらが本物か


利下げが必ずしも好材料とは限りません。2019年9月の利下げ時、ビットコインはむしろ10日間で20%下落しました。景気後退懸念が強まると、短期的にはリスク回避の動きが出ることがあります。


重要なのは利下げの「理由」です。経済が好調だから利下げするのではなく、雇用市場が弱まったから利下げするなら、市場は違った反応を示すかもしれません。モルガン・スタンレーが注目したのもまさにこの点です。インフレよりも労働市場危機に政策の焦点が移ったということです。


円キャリートレード巻き戻しのリスクもあります。利下げでドルが弱含むと円高になり、8月初めの「ブラックマンデー」のような暗号資産市場の急落につながる可能性があります。


ビットコインと技術株が連動する理由


最近のビットコインは技術株と似た動きをしています。どちらも「リスク資産」として分類され、流動性の変化に同じ方向で反応します。


金利が下がると成長株や技術株に有利な環境ができます。将来収益の現在価値が高まるからです。ビットコインも同様です。投資家が安全資産よりも成長可能性の大きい資産を好むようになり、一緒に上昇するのです。


2022年から2025年までの利上げ期には両方とも下落し、利下げ期待が高まると共に反発を見せました。今では相関係数が0.5を超え、ほぼ一体となって動いています。


今注目すべきシグナル


8月の雇用指標が鍵です。モルガン・スタンレーは「雇用市場が大幅に悪化すれば0.25%以上の大幅利下げも可能」と述べています。逆に雇用が安定すれば利下げ幅が縮小する可能性もあります。


トランプ大統領のFRB圧力も変数です。FRB人事交代を示唆し、金融政策の独立性への懸念が高まっています。FOMC内の力関係が変われば金利決定にも影響するかもしれません。


ビットコイン現物ETFの資金フローも重要です。機関投資家が利下げを前に先行してポジションを取る可能性があります。2025年に入ってすでに約50億ドルがビットコインETFに流入しました。


モルガン・スタンレーの9月利下げ予想は、ビットコインにとって中長期的にはポジティブなシグナルです。ただし短期的には変動が大きくなる可能性があります。景気後退懸念、ドルの動き、円キャリートレードなど複雑な変数が絡んでいるからです。


重要なのは利下げそのものよりも「なぜ」利下げするのか、そして市場がそれをどう解釈するかです。歴史的に利下げ初期は変動が激しくなりましたが、流動性拡大効果が本格化するとビットコインも上昇トレンドに乗りました。


今のところ、様子を見ながら少しずつポジションを調整するのが賢明かもしれませんね。


本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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