2025年7月、暗号資産の世界でちょっとした逆転劇が起きました。イーサリアムの週間現物取引量が257億ドルを記録して、ビットコインの244億ドルを初めて上回ったんです。単純に数字が入れ替わっただけじゃなくて、市場の構造そのものが変わってきているサインなんですよね。
大口投資家たちが動き始めた理由
機関投資家がイーサリアムETFに約20億ドルを注ぎ込んでいる一方で、ビットコインETFからは資金が流出している様子が見えてきました。
Tom LeeのBitMineファンドなんかは、83万3千ETHも保有していて、さらに買い増す計画まで発表しています。こういう大口の動きって、市場全体に「あ、何か変わってきてるな」という雰囲気を作るんです。
7月中旬以降、1万ETH以上をまとめ買いする取引が年間最高値を記録したそうです。普通の個人投資家には想像もつかない規模ですけど、これが今の市場の現実なんです。
ネットワークが本当に使われ始めた
イーサリアムのネットワークは、1ヶ月で4,670万件もの取引を処理しました。これ、過去最高の数字なんです。
何がそんなに動いているかというと、NFT市場がまた盛り上がってきたり、ステーブルコインの送金が増えたり、不動産や金融資産のトークン化が進んだりしているんです。特に実物資産のトークン化は、従来の金融とブロックチェーンをつなぐ架け橋みたいな役割を果たしていて、新しいお金の流れを作っています。
DeFiプロトコルの利用者も増えていて、単なる投機じゃなくて、実際に何かに使われ始めているという感じがします。
ビットコインとイーサリアム、役割がはっきり分かれてきた
ビットコインは「デジタルゴールド」として、価値を保存する手段として定着してきました。価格の動きも以前より落ち着いてきて、長期保有する人が増えています。
一方でイーサリアムは、もっとアクティブな投資対象になっています。価格変動が大きいので短期トレーダーが活発に売買していますし、実際にいろんなアプリケーションが動いているプラットフォームですから。
取引量が増えると何が起きるか
取引量が増えるということは、単純に売買が多いというだけじゃありません。市場参加者の関心と信頼が高まっているという証拠なんです。
実際、2025年8月初めにイーサリアムの価格が4,600ドルを突破したときも、取引量の増加が同時に起きていました。オンチェーン活動の増加、ETF資金の流入、投資心理の改善が重なって、強い需要の基盤ができあがったんです。
テクニカル分析の観点から見ても、取引量の増加は抵抗線を突破する重要なシグナルとして扱われます。しばらくはこの流れが続きそうな気配があります。
これから注目すべきポイント
イーサリアムの取引量がビットコインを上回ったのは、一時的な現象じゃないと思います。ネットワークの実用性が高まって、機関投資家の資金が入って、投資家の好みが変わってきた。これらが複合的に作用した結果です。
実物資産のトークン化やDeFiみたいな実用的な使い道が増えていけば、取引量はまだまだ増える可能性があります。ビットコインが安定した資産なら、イーサリアムは実際に何かを作って動かすプラットフォーム。この違いがはっきりしてきたのが、今回の逆転劇の本質かもしれません。
こんな感じで、暗号資産の世界も少しずつ成熟してきているんだなと感じています。
本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。