ソラナの融資TVL、1兆9500億円突破:KaminoとJupiterが変えたDeFi勢力図


ソラナの融資市場が史上最高値を更新しました。2025年9月時点でTVL(総預かり資産)が130億ドル(約1兆9500億円)を突破し、イーサリアムL2を圧倒する規模まで成長しています。この驚異的な成長の中心にいるのが、Kamino FinanceとJupiter Lendです。


2つの巨人が作る新しい競争構図


Kamino Financeが31億ドルのTVLで首位を維持していますが、Jupiter Lendの追い上げがすさまじいです。なんとローンチからわずか10日でTVL10億ドルを達成したんです。


両者の戦略は対照的です。


Kaminoは長期戦略を採用しています。自動化された流動性管理で複利収益を最大化し、KMNOトークンのステーキングでコミュニティの忠誠心を確保。清算ペナルティを従来の1%から0.1%まで90%削減し、ワンストップDeFiサービスを提供しています。


一方、Jupiterは攻撃的な拡大路線です。業界最高水準のLTV95%(担保に対する融資比率)を提供し、200万ドル規模のインセンティブプログラムを運営。40以上の多様な融資プールを展開し、Fluidと協業した革新的な清算システムを導入しています。


機関投資家マネーが変えた風景


2025年のソラナ融資市場の爆発的成長の背景には、機関投資家の大規模な資金流入があります。Galaxy Digital、Jump Crypto、Multicoin Capitalといった大手機関が数億ドルを投資し、市場の信頼性が大幅に向上しました。


ソラナベースのETF資産がローンチ後すぐに1億ドルを超え、全体の機関運用資産(AUM)が41億ドルに達し、ビットコイン、イーサリアムに次ぐ3位を記録。この機関資金は単に数字を増やしただけでなく、プラットフォームの技術力とリスク管理システムを一段階アップグレードさせました。


手数料競争から報酬競争へ


両プロトコルの手数料構造を比較すると、それぞれの戦略が明確になります。


Kaminoは金庫別の差別化された手数料と成果報酬方式を採用。KMNOトークン保有者には手数料割引とガバナンス参加権を提供しています。


Jupiterはポジション開設・決済時に0.06%の固定手数料を設定。直接的な現金インセンティブと高いLTVで差別化を図っています。


清算ペナルティは両プロトコルとも0.1%まで引き下げており、ユーザーの負担を大幅に軽減して資金流入を促進する戦略を取っています。


これから注目すべきポイント


ソラナ融資市場はまだ始まったばかりです。両プロトコルの競争が生み出したイノベーションが、DeFiエコシステム全体に広がっています。


95%のLTVは新しい標準になりつつあり、部分清算と自動化されたリスク管理システムの導入が進んでいます。さらに、ソラナを超えてマルチチェーンへの拡張準備も進行中です。


Kaminoの体系的な成長戦略とJupiterの攻撃的な市場拡大が交わることで、ソラナ融資市場はより成熟した姿に進化しています。


このペースなら2025年末までにソラナ融資TVLが200億ドルを超える可能性もありそうです。ただし、スマートコントラクトリスクと市場の変動性は常に念頭に置いておく必要があります。


今後も両プロトコルの動向から目が離せません。


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