XRPの支持線回復ニュース、価格だけ見て判断していませんか


2.80ドルの支持線を守ったというニュースを見て安心していたら、9月19日に突然900%を超える清算不均衡が起きました。価格が5%下がっただけで721万ドルのロングポジションが吹き飛んだのです。


問題は板の厚さでした。


bitbankの板を開いて気づいたこと


日本の取引所でXRPを見ていると、価格チャートは安定しているように見えます。2025年10月初旬、2.87ドル付近で推移していて、一見すると落ち着いています。


ですが板を開くと違う景色が見えます。


2.80ドル付近の買い板が思ったより薄いのです。大口の売りが入れば簡単に崩れそうな厚さでした。実際、9月中旬にビットコインやイーサリアムと比べて、XRPの清算比率が異常に高かったのはこれが原因です。


隣国の韓国でも似た状況を見ました。アップビットやバイビットの板を確認すると、やはり3.00ドル手前の売り板が厚く、買い板は薄めです。


ETF承認待ちの10月、板の動きが激しくなっています


10月18日から25日にかけて、6つのXRP現物ETFの審査結果が出る予定です。グレイスケール、ビットワイズ、21シェアーズなど、大手運用会社の申請が一気に判断される期間です。


承認されれば機関投資家の資金が流入する可能性があります。JPモルガンは初年度で40億〜80億ドル、カナリー・キャピタルは初月だけで50億ドルの流入を予測しています。


ただ、ここで考えなければいけないのは供給の問題です。


現在、取引所に置かれているXRPは全体の20%程度しかありません。9月末には12億ドル相当(4億3900万XRP以上)が取引所から引き出されました。長期保有目的でコールドウォレットに移されたと見られています。


ETFが承認されて大量の買いが入っても、板が薄ければ価格は急騰しますが、その後の調整も激しくなります。


実際に板を確認する方法


日本の主要取引所なら、どこでも板情報を見られます。


SBI VCトレードでは取引画面の右側に板が表示されます。価格帯ごとの注文数量が一目で分かる仕様です。GMOコインも同様で、スマホアプリからでも確認できます。


bitbankは板取引の出来高が国内でも大きい取引所です。特にXRPの取引量が多いため、リアルタイムの板の厚さを確認するには適しています。


確認すべきポイントは3つです。


2.80ドル付近に100万XRP以上の買い注文が並んでいるか。これより少なければ支持線として弱いです。


3.00ドル付近の売り注文がどれくらい積まれているか。500万XRP以上あれば強い抵抗線として機能します。


買い板と売り板の間隔(スプレッド)が広すぎないか。スプレッドが広いと流動性が低く、大きな注文で価格が跳ねやすくなります。


9月の清算騒動が教えてくれたこと


9月19日の清算不均衡は、ビットコインの103%、イーサリアムの187%に対して、XRPは903%でした。ロングポジションの損失が圧倒的に大きかったのです。


原因は単純です。多くのトレーダーが3.00ドル突破を期待してレバレッジをかけていましたが、板が薄かったため、少しの価格変動で連鎖清算が起きました。


マンザのCTOリカルド・サントス氏が指摘した通り、この時期に売っていたのは主に小口投資家でした。機関投資家は逆に買い増しを続けていたそうです。


この動きを事前に察知する方法があったとすれば、それは板の変化を追うことでした。9月中旬、支持線付近の買い板が前日比で30%以上減少していたのです。


取引量の増加にも種類があります


「XRP取引量40%増!」というニュースを見ると、つい良い材料だと思ってしまいます。


ですが内訳を見ると、9月の2億1000万ドルの流入のうち、かなりの部分がCME先物市場でした。4ヶ月間で180億ドルの取引量があり、オープンインタレストは10億ドルを突破しています。


先物取引が活発なのは、投機的な動きが増えているということです。現物市場での着実な買いとは違います。


本当の意味での流動性回復は、現物市場で継続的な買い注文が入り、板の厚さが維持されることです。先物の取引量だけが増えても、変動性が高まるだけで、実需の増加にはつながりません。


日本での取引環境は整っています


日本の取引所は、板取引の環境が充実しています。


bitbankは2023年1月から2024年10月まで、アルトコインの取引量が国内1位でした。XRPも取引所形式で売買でき、スマホアプリからでも板を見ながら注文できます。


SBI VCトレードは、SBIグループの安定した経営基盤があり、各種手数料も業界最安水準です。レバレッジ取引をする場合でも、板の厚さを確認しながら慎重にポジションを取れる環境です。


GMOコインは、外国為替FXで培った高機能チャートを備えています。板情報と合わせてテクニカル分析もできるため、エントリーポイントを見極めやすいです。


どの取引所を使うにしても、価格チャートだけでなく、必ず板を開いて確認する習慣をつけることをおすすめします。


10月後半に注目すべきこと


ETF審査結果の発表前後48時間は、板の動きが最も激しくなる期間です。


承認のニュースが出れば、3.20ドルを突破する可能性があります。ただし、その時に3.30〜3.50ドル付近の買い板がしっかり形成されているかを確認してください。板が薄ければ、短期的な急騰の後に急落する可能性が高いです。


逆に否認されれば、2.60ドルまで支持線をテストする展開になるかもしれません。この場合も、2.50〜2.60ドル付近に強い買い板があるかどうかが、追加下落を防ぐカギになります。


SECとの訴訟が2025年8月に完全終結し、法的な不確実性はなくなりました。XRPレジャーではAMM機能やXRPL EVMサイドチェーンも稼働し、技術的な進化も続いています。


ファンダメンタルズは改善していますが、短期的な価格変動を左右するのは板の厚さです。


価格が支持線を守ったというニュースは、結果を伝えているだけです。次にどう動くかを知りたければ、板を見ることです。3分あれば確認できます。


Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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