自宅で飲む抹茶が「なんだか苦い」原因、知っていますか?

日本の茶道_抹茶を点てる女性


実は、抹茶のプロがこだわるたった3つのポイントを押さえるだけで、あのカフェのような感動的な味わいが実現できます。それは、単に混ぜるのではなく、「泡立てる温度と動き」に秘密があるからです。高品質な抹茶は、選んだ道具や手順一つで風味が劇的に変わります。まず、最高の抹茶を作るための決定的な違いを見ていきましょう。


最高の「旨み」を引き出すための水と粉のルール


抹茶の味を左右するのは、使用する抹茶パウダーと、温度を微妙に調整した水です。


  • 水温は「70〜80℃」がベストです。沸騰したお湯を使うと、せっかくの抹茶の成分が熱で変化し、苦味や渋みが強く出てしまいます。これは、多くの方が失敗する大きな原因です。

  • 必ず、お茶専用のグレードを選んでください。収穫前に日光を遮って育てる製法を経た抹茶は、旨み成分であるテアニンが多く含まれています。安価なものは、色がくすみ、旨みが足りません。


プロが実践する「Wの法則」泡立てテクニック


抹茶のなめらかな口当たりは、この「点てる(たてる)」という泡立て工程で決まります。


  1. 茶碗は温め、粉はふるう。事前に温めた茶碗に、1〜2グラムの抹茶をふるいにかけてダマをなくしておきます。このひと手間が仕上がりを格段に上げます。

  2. 手首のスナップで「W」を描く。少量の(約60〜80ml)のお湯を加えたら、茶筅(ちゃせん)を使い、腕全体ではなく手首だけを高速で動かし、器の底に触れないようにWの文字を連続して描くように泡立てます。

  3. きめ細かさへのこだわり。この「Wの法則」で点てると、クリーミーで微細な泡が立ちます。泡が大きいとすぐに消えてしまいますが、細かな泡は風味を閉じ込めて、喉越しを格段にまろやかにするんです。


ラテ派におすすめの「熟成ベース」という新発想


最近アメリカのカフェでも話題の抹茶ラテを家庭で作るなら、「ベースの熟成」を試してみてください。


  • 濃いめに点てた抹茶を密閉容器に入れ、冷蔵庫で5時間以上寝かせます。これにより、残った泡が自然に消え、パウダーと水が完全に馴染んで、極めて濃厚で深い風味のベースになります。

  • この熟成ベースと、オーツミルクを組み合わせるのが最新のトレンドです。オーツミルク特有のクリーミーで癖のない味わいは、抹茶の奥深い風味を邪魔せず、より洗練された一杯にしてくれます。


この小さな工夫だけで、いつもの抹茶タイムが「本物」に変わりますよ。