ソウルのカフェってコンセントがやたら多いんだよね。これ、実は偶然じゃない。
韓国の住宅事情が関係してる。ソウルの人たちって狭いマンションに住んでることが多くて、友達を家に呼んで勉強会とか仕事の打ち合わせするのが難しい。
だからカフェが「第三の居場所」になってる。家でも職場でもない、ちょうどいい場所って感じ。
「カゴン」文化が電源需要を爆上げした
韓国には「カゴン(카공)」って言葉がある。カフェで勉強や仕事することを指す造語だ。
学生もフリーランサーもリモートワーカーも、みんな当たり前のようにカフェで数時間過ごしてる。一杯のコーヒーで4〜5時間粘ることもザラ。
こうなると、カフェ側も対応せざるを得ない。コンセントが少ない店は客を取られちゃうから。
実際にソウルのカフェを見回すと、壁際のテーブルはもちろん、真ん中の席にも床からコンセントが出てたりする。中には各席にUSBポートまで完備してる店もある。
大手チェーンが先陣切って設備投資
ホリス、イディヤ、スターバックスみたいな大手が率先して「作業しやすいカフェ」を作り始めた。
大きなテーブル、座り心地のいい椅子、そして全席にコンセント。一部の店舗には個室ブースや防音会議室まで設置してる。
もはやカフェというより、時間貸しオフィスに近い感覚かも。
でも面白いのは、こういう設備投資が実際に客足を増やしてること。作業環境の良さで差別化を図れるから、競合店との価格競争に巻き込まれにくいんだよね。
他の都市との圧倒的な差
ニューヨークのカフェはコンセントがあったりなかったり。運次第って感じ。
東京はもっと厳しくて、多くのカフェでコンセントを見つけるのが困難。あっても1〜2個程度。しかも「長時間利用はご遠慮ください」って張り紙があったりする。
パリなんてほとんどない。そもそもカフェ文化が違うからね。ワイン片手におしゃべりする場所であって、作業する場所じゃない。
ソウルはこの流れを完全に逆転させた。どこのカフェ行ってもコンセントがメニュー並みに充実してる。
テック大国ならではの需要
韓国って世界屈指のIT先進国だから、みんなノートパソコン、タブレット、スマホを同時に使ってたりする。
デジタルノマドにとってソウルが人気なのも、このカフェインフラが理由の一つ。文字通りカフェのテーブル一つでビジネスが回せる。
24時間営業のカフェも珍しくない。夜型の人間にも優しい設計になってる。
韓国の大学生なんか、試験期間になると朝から晩までカフェにこもってる光景をよく見かける。図書館が満席でも、カフェがあるから勉強場所に困らないってわけ。
客の期待値が業界標準を押し上げた
時間が経つにつれて、客側もコンセントを「当たり前の設備」として期待するようになった。
WiFiやトイレと同じレベルの基本装備。これがないカフェはレビューで叩かれるし、リピート客もつかない。
今じゃ小さな個人店でも全席コンセント設置が普通。そうしないと競争に負けちゃう。
カフェのオーナーに聞くと、電気工事費は確かにかかるけど、長期的に見れば客単価アップと回転率のバランスで元は取れるって言ってた。
実は経済的にも理にかなってる
長居する客って損失だと思われがちだけど、ソウルのカフェは上手く収益化してる。
数時間いる人は追加でドリンク頼んだり、軽食も食べたりする。常連になれば単価も上がる。
作業環境を提供する代わりに、コーヒー代を少し高めに設定できるのもメリット。
それに韓国のカフェって、ポイントカードやアプリ連携が充実してる。長時間利用する客ほどロイヤリティが高くなる仕組みを作ってるんだ。
店舗設計も進化し続けてる
最近のソウルのカフェは、単にコンセントを増やすだけじゃなくて、作業効率を考えた空間設計になってる。
一人用の集中席、グループワーク用の大テーブル、オンライン会議用の半個室スペース。用途に応じて選べるようになってる店も多い。
照明も重要で、作業に適した明るさを保ちつつ、カフェらしい居心地の良さも演出してる。このバランス感覚が絶妙なんだよね。
この流れは世界に広がってる
他の都市もソウルのモデルを真似し始めてる。
コワーキングスペースがブームになったのも、普通のカフェが作業ニーズに応えきれなかったから。
でも電源密度とカフェインフラの充実度では、まだソウルが圧倒的に上。
長時間利用を前提とした設計思想が根本的に違うんだよね。ソウルのカフェは単なる喫茶店じゃなくて、都市インフラの一部として機能してる。これからも韓国のライフスタイルと密接に結びついた独特の文化として発展していくと思う。