金先物がオンスあたり3,534ドルという過去最高値をつけました。トランプ政権が1kg金塊にも関税をかけると発表したからなんですが、面白いことにビットコインまで安全資産として注目され始めています。
金塊に関税って、なんでそんなに大騒ぎになるの
最初は私も理解できませんでした。金に関税をかけたくらいで、そこまで値段が上がるものなのか疑問でした。
でも1kg金塊が世界の金取引の標準だと知って、話が変わりました。COMEXのような大きな取引所で最も多く取引されるサイズがまさに1kg金塊なんです。スイスで精製された金がアメリカに入るときに39%もの関税がかかることになれば、当然供給が止まってしまいます。
もっと興味深いのは、金先物と現物価格の差が100ドルも開いたことです。普通はこんな差は出ないものなんですが。
先物市場は将来の価格を反映するので、関税ショックを先に織り込んだわけです。現物は今すぐ取引される金なので、まだ影響が少ないということです。こういう乖離現象が起きると、市場に大きな変化が来るサインだと見るべきでしょう。
ビットコインが再び注目される理由って
金の値段が急騰したら、人々がビットコインを見直し始めました。変に聞こえるかもしれませんが、ある意味当然の流れです。
まずビットコインは金と違って関税をかけられません。デジタルですから。国境もないし送金手数料もかからないし、個人のウォレットからウォレットに送れば済みます。金塊は空港で見つかったら税金を払わなければなりませんが、ビットコインにはそんな心配がありません。
次に希少性の面では金よりも確実です。ビットコインは全部で2,100万枚しか存在できず、すでに大部分が採掘されています。金は掘り続けることができますが、ビットコインには決まった数があるのが魅力です。
機関投資家もそろそろビットコインを真剣に見始めています。ブラックロックやフィデリティのような大手がビットコインETFを作って販売しているんです。以前は「ギャンブル」と言っていた人たちが、今では「代替投資資産」と呼び始めています。
米中関税問題はどうなっているの
5月にアメリカと中国が関税を大幅に引き下げることで合意したという話がありました。アメリカは145%から30%に、中国は125%から10%に下げることになっていたはずです。
でもトランプ政権がまた金塊に関税をかけると言い出したので、市場が混乱しているわけです。一方では関税を下げると言い、もう一方では新しい関税を作ると言うので、投資家が困惑するのも当然です。
こういう不確実性が続くと、金やビットコインのような安全資産への需要が増えざるを得ません。政府の政策が信用できないなら、個人で資産を守らなければという考えが広がっているんです。
じゃあ今、金やビットコインを買うべき?
正直に言うと、今のような時期は焦らないことが大切です。
金先物が急騰したからといってすぐに飛びつくと、高値掴みになる可能性があります。特に先物と現物価格の差が100ドルもある状況では、より慎重になるべきです。この乖離はいずれ縮まることになっていますから。
ビットコインも同じです。安全資産だからといって変動性がないわけではありません。一日で5〜10%も上下するのがビットコインです。金はそれでもゆっくり動きますが、ビットコインはジェットコースターに乗っているようなものです。
私の考えでは、こういった資産をポートフォリオの一部に入れるのはいいですが、全財産を賭けるようなことではありません。専門家も全資産の2〜5%程度にとどめることを勧めています。
何より関税政策がどう変わるか見守る必要があります。トランプ政権の決定が最終的にどうなるか、他の国がどう対応するか、まだ不確実な部分が多いですから。
投資はタイミングより継続性のほうが大切だと思います。急いで動くより、落ち着いて状況を見ながら自分なりの投資原則を立てるのが賢明でしょう。
こういう市場が揺れているときこそ、基本に忠実であることが答えです。他の人が買うから追随するのではなく、なぜ買うべきなのか自分で納得できることが必要です。
どう思いますか?金やビットコインへの投資計画はありますか?