ソウルの春、花粉症で鼻水が止まらない。でも病院に行く時間もない。そんな時、実は韓国の薬局では日本でおなじみのアレルギー薬が処方箋なしで買えるんです。
ただし、日本のドラッグストアとは全然違うシステムなんですよね。
薬局のカウンター越しに「アレルギー薬ください」でOK
韓国の薬局、最初は戸惑います。商品が全部カウンターの後ろにあって、自分で手に取れない。でもこれが普通なんです。
薬剤師さんに「알레르기 약 주세요(アレルギヤク ジュセヨ)」と言えば、すぐに出してくれます。英語で「antihistamine」でも通じますし、実は「セチリジン」「ロラタジン」という成分名を言うだけでも大丈夫。
ジルテックが欲しければ「지르텍(ジルテッ)」、クラリチンなら「클라리틴(クラリティン)」。でも成分名のほうが確実です。薬剤師さんは全員、この成分名を英語で習っているから。
韓国ブランドのほうが安くて同じ効果
ここがポイントなんですが、韓国には独自のアレルギー薬ブランドがあります。
「コジョルテック(코졸텍)」という薬、聞いたことないでしょう?でもこれ、ジルテックとまったく同じセチリジンが入っていて、価格は半分くらい。子供用なら「チャンプアレルノン」という、飲みやすい味付きのものもあります。
薬局では普通、こういう韓国ブランドを先に勧められます。成分は同じ、韓国食品医薬品安全処の厳しい基準をクリアしているから品質も問題なし。パッケージに必ず英語で成分名が書いてあるので、確認してみてください。
実は鼻スプレーのほうが効くかも
韓国の臨床ガイドラインを見ると、重い鼻炎には鼻スプレー(特にステロイド系)が第一選択薬として推奨されています。モメタゾンフロエート成分のスプレーなんて、西洋では処方箋が必要なのに、韓国ではOTCで買える。
直接鼻に噴射するから、効き目が早いんですよね。
でも韓国人の多くは錠剤を好みます。スプレーは「医療っぽい」、錠剤は「日常的」というイメージがあるみたいで。薬剤師さんは両方提案してくれるので、自分で選べます。
薬局の探し方と値段の話
緑の十字マークに「약」の文字、これが薬局の目印です。地下鉄の駅を出れば、たいてい2〜3軒は徒歩圏内にあります。
価格は5,000〜15,000ウォン(約600〜1,800円)。韓国ブランドなら5,000ウォンから、輸入品のオリジナルジルテックだと12,000ウォンくらいです。
カード決済もモバイル決済(サムスンペイ、カカオペイ)も使えます。古い町の薬局だと現金のほうが喜ばれることもありますが、ソウルではほとんど問題ありません。
日曜日は要注意
一つだけ注意点。韓国の薬局、日曜日はほとんど休みです。明洞や江南みたいな繁華街なら開いている店もありますが、基本的には月〜土曜日の営業。
大きな病院の周辺にある薬局は品揃えが豊富です。サムスン病院やセブランス病院の近くなら、OTCの種類も多いし、英語が通じる確率も高い。
実際に使ってみて
花粉症シーズン(3〜5月、9〜10月)は在庫切れもあるので、電話で確認してから行くのがおすすめです。でも基本的には、どの薬局でもセチリジンやロラタジンは常備しています。
処方箋なしでこれだけの選択肢があるのは、実は日本より便利かもしれません。韓国の薬局システム、慣れてしまえばけっこう使いやすいですよ。
次の花粉シーズン、もう病院の予約で悩まなくていいかも。