ソラナの収益44%急減、でもTVLは30%増加?矛盾だらけの成績表を読み解く


ソラナのDeFiエコシステムが2025年第2四半期に見せた成績表、なんだか変なんです。収益は44.2%も急減したのに、TVL(総ロック価値)は逆に30.4%増えて86億ドルを記録しました。この一見すると矛盾した現象、いったい何が起きているのでしょうか。


TVLは増えたのに収益は減った?


TVL(Total Value Locked)というのは、DeFiプロトコルに預けられた資産の総価値のことです。簡単に言えば、銀行の金庫に入っているお金の総額みたいなものです。


一方で収益は、ネットワークやアプリが実際に稼いだお金のこと。取引手数料やサービス利用料がここに含まれます。


ソラナでTVLが増えたということは、投資家がより多くの資産をソラナのエコシステムに預けたということ。信頼が回復している良いサインとも取れます。


収益激減の犯人はミームコイン


ソラナの収益が半分になった最大の理由は、ミームコインの取引ブームが終わったからです。


2025年初めまでは、ソラナネットワーク収益の80%以上がミームコイン取引から来ていました。ところがミームコインブームが冷めると、主要なミームコイン取引プラットフォームの日次収益が95%以上も落ち込みました。


取引手数料も一緒に暴落しました。1日の取引手数料収益が80%以上減少し、2024年9月以来の最低水準を記録。ネットワークの混雑が緩和されて、手数料が自然と下がったんです。


分散型取引所(DEX)の利用者数も10ヶ月で90%以上減少。取引量が減れば、当然収益も一緒に落ちるわけです。


でもなぜTVLは増加したの?


ここが面白いポイントです。投資家は資産をもっと預けたけど、活発に取引はしなかったということなんです。


主要プロトコルの成長がTVL増加を牽引しました:

  • Jito:流動性ステーキングで20億ドル以上のTVL保有
  • Kamino:融資プラットフォームで15.8億ドルのTVL記録
  • Jupiter、Raydium:それぞれ12億ドル以上のTVL担当

特にステーブルコインの預け入れ量が大きく増えました。投資家が変動性の高いミームコインより安定した資産を好み始めたということです。


これはソラナにとって良い兆候?悪い兆候?


短期的には収益減少が痛手になるかもしれません。でも長期的に見れば、むしろ健全なサインとして解釈できます。


ミームコイン投機中心から脱却して、実際のDeFiサービス中心にエコシステムが成熟していっているということですから。TVL増加は投資家がソラナの長期的価値を認めている証拠です。


もちろん、少数の大口投資家が大量の資産を預けているだけの可能性もあるので、TVLだけで全てを判断するのは難しいです。実際のユーザー数や取引量など、他の指標も一緒に見る必要があります。


これからSOL価格はどうなる?


専門家たちは2025年末までに195~260ドルの間で変動すると予測しています。機関投資が増えてネットワークアップグレードが成功すれば、300ドル以上も可能です。


2030年には275~1,000ドルまで様々な予測が出ています。もちろん短期的には調整と変動性が大きくなる可能性もあります。


ソラナの現状は「成長痛」に近いです。投機中心から実用中心へと転換する過程で現れる自然な現象。収益減少は痛いけれど、TVL増加は未来への堅実な基盤になっています。


こんな感じで、数字だけ見ると矛盾しているようでも、実はエコシステムが健全に成長している証拠かもしれません。


本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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