米国SECがイーサリアムステーキングETFを承認したら、暗号資産市場に大きな変化が起きます。単純に価格が上下するだけでなく、伝統的金融とDeFiが本格的に融合する歴史的瞬間になるかもしれません。
最近SECがリキッドステーキングトークン(LST)を証券ではなく一般資産として分類すると発表しました。これがなぜ重要かというと、ステーキング機能付きイーサリアムETFがまもなく登場する可能性を示唆しているからです。
ステーキングETFは既存ETFと何が違うのか
既存のイーサリアム現物ETFは本当にシンプルです。イーサリアムの価格が上がればETF価格も上がり、下がれば一緒に下がる構造です。100%価格変動のみに依存する投資商品なんです。
一方、ステーキングETFは全く違います。イーサリアムの価格上昇による利益に加えて、年3〜5%のステーキング報酬も得られます。例えば、イーサリアム価格が年30%上昇した場合、既存ETFなら30%の収益ですが、ステーキングETFなら34〜35%の収益が可能です。
SEC政策変更がもたらす波及効果
SECがリキッドステーキングを証券と見なさないと決めたのは大きな変化です。これまでステーキングは投資契約に該当する可能性があり、規制のグレーゾーンにありました。
これで大手資産運用会社が安心してステーキングETF商品を作れるようになります。ブラックロックなどがすでにSECと協議中だとか。2025年現在、イーサリアム現物ETFだけで12億ドル以上が流入していますが、ステーキング機能が追加されれば数十億ドルの追加流入が見込まれます。
個人投資家が知るべきリスク
もちろんバラ色の展望だけではありません。ステーキングETF特有のリスクもあります。
検証ノードがエラーを起こすと、ステーキングした資産の一部がペナルティとして消失する可能性があります。また、ステーキングされたイーサリアムは一定期間ロックされるため、ETF償還要求が殺到すると即座に現金化できない場合もあります。
税務処理も複雑です。ステーキング報酬に対する税制は国によって異なり、まだ明確なガイドラインがない国も多いです。運用会社のセキュリティレベルと保険適用範囲も必ず確認すべきです。
実際にどんな変化が起きるのか
ステーキングETFが本格導入されれば、一般の人も複雑なステーキングプロセスなしにETF購入だけでステーキング収益を得られます。32ETH(約1億円相当)がなくても、ウォレットの知識がなくても大丈夫です。
イーサリアムが債券のように安定収益資産として認識され始めるでしょう。変動性の高い投機資産ではなく、配当を出す株式のように見られるようになります。
結局、ステーキングETFも投資商品です。元本損失の可能性は常にあります。FOMOに流されず、十分に勉強して慎重にアプローチすることが大切です。
本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。