ビットコインETFが最大保有者になった本当の理由


2024年12月、暗号資産の歴史に前例のない出来事が起きました。ビットコインETFの保有量が、ビットコイン創始者のサトシ・ナカモトを超えたんです。特にブラックロックのIBITは単独で73万枚以上のビットコインを保有し、世界最大の保有者となりました。


これって、単なる数字の話じゃないんです。暗号資産市場の構造そのものが、根本から変わってしまったという話なんです。


機関投資家が殺到した理由


2024年1月11日、アメリカのSEC(証券取引委員会)がビットコイン現物ETFを11本同時承認しました。この瞬間から、すべてが変わり始めたんです。


それまで機関投資家たちは、ビットコインに投資したくても躊躇していました。規制の不透明さ、保管リスク、会計処理の複雑さ。これらの壁が高すぎたんです。


でもETFなら話は別です。自分でビットコインを管理する必要もない。ハッキングの心配もない。しかも規制当局のお墨付き。年金基金や保険会社にとって、これほど都合のいい投資商品はありませんでした。


最初の10か月で500億ドル以上の資金が流入。ブラックロックのIBIT単独で400億ドルを超える運用資産。これが現実に起きたことです。


なぜブラックロックが圧倒的なのか


ブラックロックがこれほど早く最大保有者になれたのには、明確な理由があります。


まず手数料戦略です。最初の12か月は0.12%という破格の手数料。競合の半分以下です。その後も0.25%と業界最低水準を維持しています。


そして信頼のブランド力。10兆ドル以上を運用する世界最大の資産運用会社。「ブラックロックがやるなら安心」という認識が、機関投資家の間で広がっていました。


さらに2024年末からは、ETFをブロックチェーン上でトークン化するプロジェクトも開始。24時間取引、即時決済が可能な次世代ETFの準備を進めています。


市場構造が変わり始めている


ビットコインETFの大量保有は、市場に構造的な変化をもたらしています。


全ビットコインの5%以上をETFが保有。取引所のビットコイン在庫は史上最低水準。長期保有者が増えて、流通量が減少。この供給ショックが起きているんです。


価格の変動も以前とは違います。機関の長期投資が増えたことで、1日に20-30%も急変動することが明らかに減りました。


でも、これには別の側面もあります。ブラックロックのような巨大運用会社の売買判断が、市場全体を動かせるレベルになってしまったということです。


個人投資家にとって何を意味するのか


ETFが最大保有者になったということは、ビットコインが完全に「制度化された資産」になったということです。


良い面としては、機関資金の流入で長期的な価格支持線が形成されています。規制も明確になり、投資環境は改善しています。市場操作の可能性も減りました。


一方で注意すべき点もあります。大手運用会社の市場支配力が増大しています。ETFが大量売却すれば、価格への衝撃は避けられません。ビットコインの分散化という理念が薄れていく懸念もあります。


これから起きること


2025年以降、ビットコインETF市場はさらに激しい競争になるでしょう。


イーサリアムやソラナのETF承認が迫っています。アジアやヨーロッパでも現物ETFの導入が加速します。日本でも2025年中の導入可能性が高まっています。


24時間取引、リアルタイム決済、低手数料を提供する次世代ETFの競争も本格化します。


ビットコインETFが最大保有者になったことは、単純な数字の話ではありません。暗号資産市場が完全に新しい局面に入ったという明確なシグナルなんです。


個人投資家であれ機関であれ、もうETF抜きのビットコイン市場は想像できなくなりました。これが今起きている現実です。


Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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