USDTとUSDC、同じドル連動なのになぜ違う?海外送金からDeFiまで実戦で分かった使い分け術


USDTもUSDCも1ドルに固定されたステーブルコインですが、実際に使ってみると全然違うんです。発行元から担保の構成、規制への対応まで、あらゆる面で差があって、この違いが暗号資産の取引や送金に直接影響します。


運営思想が真逆の2つのコイン


USDTは香港拠点のテザー社が発行しています。規制の緩い地域で自由に運営することを好む会社です。


一方、USDCはアメリカのサークル社とコインベースが共同発行。最初から米国の金融規制を徹底的に守ることを目標に作られました。


単純な違いに見えますが、実はこれが2つのコインのすべての特性を決定する核心なんです。


担保資産の構成、透明なUSDC vs 不透明なUSDT


USDCの担保構成:

  • 100%現金と短期米国債のみで構成
  • 毎月Grant Thorntonなど大手会計事務所が外部監査を実施
  • 監査結果を完全公開

USDTの担保構成:

  • 現金、コマーシャルペーパー、社債、担保ローン、ビットコイン、金など多様な資産を混合
  • 約22.75%が高リスクまたは非流動資産
  • 定期的な外部監査なし
  • 透明性不足で過去にSECの調査対象になったことも

簡単に言えば、USDCは銀行預金のように安全な資産だけを保有する一方、USDTは収益を上げるためにリスクのある投資も並行しているということです。


実際に使うとどんな違いがあるか


海外取引所に送金するとき:

  • USDTがバイナンスやフォビなど大手取引所でずっと広く使われています
  • TRC20ネットワークでUSDT送金すると手数料がほぼゼロ(通常1ドル未満)
  • USDCは一部の取引所でサポートされていない可能性があります

DeFiやNFT取引のとき:

  • USDCがより好まれます
  • 特にアメリカ基盤のプロトコルはUSDCを基本採用
  • OpenSeaのようなNFTマーケットプレイスもUSDCを優先

長期保有するとき:

  • USDCが相対的に安全です
  • USDTは担保構成の不透明性のため、デペッグ(1ドル価値からの乖離)リスクが存在

規制リスク、広がる格差


サークルはアメリカとヨーロッパのすべての規制を徹底的に守っています。米国財務省とニューヨーク金融サービス局の監督を受け、定期的に議会にも出席します。


テザーは正反対です。アメリカやヨーロッパの規制を避けながら運営しています。実際、複数の国でテザーの使用制限を検討中です。


この違いのため、機関投資家はUSDCを圧倒的に好みます。でも個人トレーダーは依然としてUSDTの高い流動性と利便性を選びます。


で、結局どっちを使えばいいの?


USDTを選ぶべきとき:

  • バイナンスなど海外取引所へ速く安く送金したいとき
  • 短期取引用に一時的に保有するとき
  • 流動性が最も重要な取引をするとき

USDCを選ぶべきとき:

  • アメリカ基盤の取引所やDeFiプラットフォームを利用するとき
  • 長期間安全にドル価値を保管したいとき
  • 規制リスクを最小化したいとき

市場シェアで見るとUSDTが約65%で圧倒的です。でもUSDCの成長速度がずっと速いんです。特に2024年以降、大手取引所がUSDC対応を拡大して状況が変わってきています。


結局、両方のコインにははっきりとした長所と短所があります。状況に応じて選んで使うのが最も賢明な方法です。私は海外取引所への送金用にはUSDT、DeFi活動や長期保管用にはUSDCを使っています。


こんな感じで、今はけっこう使い分けに慣れてきました。


Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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