リップルとソラナETFに17億ドル流入。ビットコインから資金が動いた理由


2025年9月第4週、ビットコインETFから約9億3000万ドル、イーサリアムETFから約7億5000万ドルが流出しました。合計17億ドル規模の資金移動です。機関投資家たちは、この資金をリップルとソラナのETFに移し始めています。


SECが10月にリップルとソラナのETF承認決定を控えているタイミングでの動きです。市場はすでに反応しています。


規制リスクの解消が鍵


リップルは2025年8月、SECとの5年間の法廷闘争に終止符を打ちました。双方がすべての上訴を取り下げ、1億2500万ドルの罰金で決着しています。これはSECが当初要求していた20億ドルより94%少ない金額です。


より重要なのは、裁判所がリップルのXRPを取引所の二次市場で取引する際には証券ではないと判断したことです。ビットコインやイーサリアムでさえ持っていない明確な法的地位を、リップルが獲得したわけです。


ソラナの状況も改善しています。SECは過去にソラナを未登録証券として分類する可能性を示唆していましたが、2025年に入って態度が変わりました。7月にはSECがソラナETF申請書類の再提出を要請し、10月以前の承認可能性が高まっています。


9月17日、SECは暗号資産ETFに関する一般上場基準を承認しました。今後は個別審査なしで迅速にETFを立ち上げられます。リップルとソラナに関するすべての遅延通知も撤回されました。ブルームバーグのアナリストは、両者のETF承認確率を95%と見ています。


技術的優位性が決定打


ソラナの技術仕様は圧倒的です。1秒あたり6万5000件以上の取引を処理できますが、イーサリアムは約30件程度。速度差は2000倍です。取引手数料もソラナが平均0.00025ドルに対し、イーサリアムは5〜50ドル。コスト差は2万倍以上あります。


2025年9月時点で、ソラナは1日3500万件の取引を処理していますが、イーサリアムは113万件に留まっています。月間新規アドレスもソラナが5631万個、イーサリアムが718万個です。


DeFi取引量では、ソラナが世界の分散型取引所取引量の50%以上を占めています。JupiterやRaydiumといったプラットフォームが、高速性と低手数料により爆発的に成長しました。2024〜2025年には99.9%以上の稼働率を維持し、ネットワーク安定性の問題もほぼ解決しています。


リップルも技術的強みを持っています。国際送金が5〜10秒で完了し、ビットコインの10分より遥かに高速です。300以上の金融機関がRippleNetを利用しており、実際の金融市場で使われる実用性を備えています。


ステーキングETFが流れを変える


ソラナのステーキングETFは状況を一変させました。2025年7月、米国でREX-Osprey SOLステーキングETFが上場し、投資家はソラナの価格上昇だけでなく、年7〜8%のステーキング収益も受け取れるようになりました。


このETFは初日に1200万ドルが流入し、9月時点で運用資産が2億1200万ドルを超えています。カナダでは3iQと21SharesがすでにソラナステーキングETFを運営しており、21Shares ASOLの運用資産は2025年9月時点で14億4700万ドルです。


ビットコインETFは価格上昇しか狙えませんが、ソラナステーキングETFは価格上昇と安定収益を同時に提供します。機関投資家が好む予測可能な収益モデルです。伝統的金融で年5〜7%は良好な利回りですが、ソラナステーキングはこれを提供しつつ価格上昇の可能性も残しています。


機関マネーの規模が違う


ポリマーケットの予測市場では、ソラナETF承認確率を99%、XRP ETF承認確率を92%と見ています。ブルームバーグのアナリストも10月中に複数のアルトコインETFが承認されると予想しています。


機関はすでに動き始めています。ゴールドマン・サックスとギャラクシー・デジタルはXRPを大規模に購入しており、ソラナでは主要企業が数百万SOLを保有しています。


ビットコインとイーサリアムのETF市場はすでに飽和状態です。ブラックロックのビットコインETFだけで運用資産が840億ドルを超えていますが、成長余地は限られています。対照的に、リップルとソラナは始まったばかりです。


パンテラ・キャピタルのアナリストは、ETF上場がビットコインとイーサリアムの採用を加速させたように、ソラナも同じパターンをたどると見ています。


分散投資戦略の核心


機関投資家は単にビットコイン中心のポートフォリオから離れようとしているのではありません。リスクに対するリターンを最適化しようとしています。


ビットコインとイーサリアムの相関係数は0.7程度と高いのですが、規制リスクが解消されたリップルや技術的に差別化されたソラナを加えれば、ポートフォリオのボラティリティを下げられます。


リップルは米国内で規制の明確性を確保し、日本のSBIホールディングスはビットコイン/XRP ETFの上場を計画しています。リップルがニューヨークで国家信託銀行ライセンスを申請したのも、米国の金融インフラに直接統合するための戦略です。


ソラナは2024〜2025年にDeFiプロトコル投資が54%増加しました。Jupiter、Raydium、Marinade、Kaminoといったプロジェクトが総額100億ドル以上の資金を集めています。


今ビットコインとイーサリアムから抜けている資金は、単なる利益確定ではありません。次の成長サイクルに備えた戦略的再配置です。


Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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