新しいM5 iPad Proが出ましたね。性能は「過去最高」と聞いていましたが、実際のレビューを見ると評価は5点満点中の「4.5点」。満点ではないようです。
M4モデルと比べてCPU性能が10~15%、グラフィック性能が最大36%良くなったと言われても、正直なところピンと来ないかもしれません。
実際、M4 iPad Proを持っている人が、急いで買い替えるほどの「革新」ではない、というのが多くの専門家の見方のようです。
なぜ「満点」ではないのか
まず、デザインがM4モデルとほとんど変わっていません。もちろん、13インチモデルで5.1mmという薄さは驚異的ですが、見た目の新鮮味はありません。
多くの人が期待していたバッテリーの持ち時間も、M4とほぼ同じレベル(だいたい8時間から10時間くらい)で、大きな進化は見られなかったようです。
性能が上がったのは良いけれど、それ以外はあまり変わっていない。「改善」はされたけれど「驚き」はなかった。この「4.5点」という評価には、そんな市場の冷静な反応が表れているのかもしれません。
M5の「本当の価値」はAI性能
では、今回のM5の性能アップは、いったい誰のためのものなのでしょうか。
注目すべきは「AIの処理能力」です。 性能テストの結果を見ると、一般的なグラフィック性能(GPU)は約26%の向上ですが、AIに関連する作業に限ってみると、M4の3.5倍から4倍も速くなっているそうです。M1モデルと比べると、実に5.6倍にもなります。
これは、例えばプロが使う3Dのデータをぐるぐる動かしたり、8Kのような高画質の動画を編集したりする場面で、はっきりとした差になって現れます。
M4ユーザーは買い替えるべき?
つまり、M5 iPad Proは、私たち一般のユーザーというよりは、プロのクリエイター向けに、より特化したモデルに進化したと言えそうです。
逆に言えば、M4 iPad Proを使っている人が、ネットを見たり動画を楽しんだりする普段の使い方で「遅い」と感じることは、まずないはずです。
もちろん、M1やM2、それより前のモデルを使っている人なら、今回のM5に乗り換えることで、その速さをはっきりと体感できるでしょう。
Wi-Fi 7に対応するなど、ネットワーク性能も良くなっているので、日常的に大きなデータをやり取りする人にはメリットがありそうです。
M5 iPad Proは、「AI作業」という新しい物差しで見れば最高のタブレットですが、M4の完成度が高かっただけに、今回は「順当な進化」といったところでしょうか。
もし買い替えを検討しているなら、自分の使い方が「AI性能」や「専門的な作業」を本当に必要としているか、一度考えてみると良いかもしれませんね。