イーサリアムと小型株が同じ動き?金利低下で浮かび上がる意外な関係



暗号資産のイーサリアムと、米国の中小型株を集めたラッセル2000という指数が、2025年後半からほぼ同じような値動きをしています。一見すると全く異なる投資対象なのに、なぜこんな現象が起きているのでしょうか。


金利という共通点


マクロ投資メディアのミルクロードは10月7日、イーサリアムと米中小型株式指数であるラッセル2000との間に「ほとんど不気味なほどの相関関係」があると指摘しました。


ラッセル2000は米国の中小型企業2000社の株価を追う指数です。こうした企業は大企業に比べて借入金への依存度が高く、金利の変化が業績に直接響きます。金利が下がれば資金調達が楽になり、株価が上がりやすくなります。


イーサリアムも似た性質を持っています。ステーキングやDeFi(分散型金融)を通じて収益を生む仕組みがあるため、金利環境が投資の魅力を大きく左右するのです。金利が低いと、銀行預金や債券より高い収益を狙えるイーサリアムに資金が向かいます。


CMEの先物市場によると、米連邦準備制度理事会(FRB)が10月29日の会合で0.25%の利下げを実施する確率は95.7%、さらに12月にも追加利下げが行われる確率は82.2%と予測されています。市場はすでに年内2回の連続利下げを織り込んでいる状況です。


リスク資産としての共通性


中小型株もイーサリアムも、いわゆる「リスク資産」に分類されます。景気が良く投資家心理が前向きなとき、より高いリターンを求めて資金が集まる投資先です。


FRBが金利を引き下げると市場に資金が流れやすくなり、投資家は安全資産より高いリターンが期待できるリスク資産に目を向けます。このタイミングで、中小型株と暗号資産が同時に買われるという構図です。


2025年10月時点で、イーサリアムの価格は約60万円から71万円付近で推移しています。一方、ラッセル2000は2,483.99ポイントで取引されており、両者とも金利低下への期待から堅調な動きを見せています。


価格の見通し


アナリストは、イーサリアムの次の上昇目標を5,200ドルと見積もっています。金利引き下げサイクルが本格化すれば、イーサリアムの価格は年末にかけて最高値6,000ドルに達する可能性があるとの予測も出ています。


ラッセル2000についても、金利低下局面では小規模企業の資金調達が容易になり、事業拡大への期待から株価上昇につながりやすいという見方があります。


注意したい点


相関関係が高いということは、リスクも連動するということです。FRBが予想に反して金利引き下げを遅らせたり、経済指標が悪化したりすれば、両方の資産が同時に下落する可能性があります。


ラッセル2000は、2025年の年初来で-3.1%と、主要株価指数に比べて出遅れ感が目立っています。中には収益性が不安定な企業も含まれており、期待先行で株価が急騰している面もあるため注意が必要です。


イーサリアムはさらに値動きが大きく、同じ期待収益率でもラッセル2000よりリスクは高くなります。規制の動向や技術的な課題も考慮する必要があります。


長期的には異なる道


短期的には金利という共通要因で動いていますが、長期的な展望は異なります。


中小型株は景気サイクルの影響を強く受け、企業によっては収益が不安定です。一方、イーサリアムはDeFiやNFTといったブロックチェーン生態系の中核インフラとして機能しており、独自の成長動力を持っています。


イーサリアムとラッセル2000の連動は、金融緩和がリスク資産全体に与える影響を示す興味深いケースです。ただし投資を検討する際は、それぞれの資産が持つ固有のリスクと成長性をしっかり見極めることが大切です。金利動向だけでなく、技術革新や市場構造の変化といった長期的な要素も考慮に入れましょう。


Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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