リプル(XRP)って結局どうなったの?ETFが止まっても地味に進む「海外送金の裏側」



最近、海外の大手金融機関、いわゆるウォール街が、長年暗号資産の王者として君臨してきたイーサリアムから、ソラナ(SOL)へと関心を移しているという話を耳にします。なぜ今、彼らはソラナを選んでいるのでしょうか。それは、彼らが求める「お金のインフラ」として、ソラナの技術が圧倒的に優れているからです。特に、毎日膨大な取引をこなす金融の世界では、「スピード」と「コスト」が何よりも重視されます。


なぜ、従来のインフラではダメだったのか?


従来の金融サービスとブロックチェーンを融合させようとしたとき、一つの大きな壁が立ちはだかりました。それが「遅延」と「手数料」です。


大手証券会社や銀行がブロックチェーンで実現したいのは、「実物資産のトークン化(RWA)」や「瞬時の国際送金・決済」です。これらは株取引のように、大量の資金を一瞬で、何度もやり取りする必要があります。


しかし、イーサリアムは人気が高まり利用者が増えるほど、取引手数料(ガス代)が跳ね上がり、処理が詰まって遅延しがちでした。これでは、金融機関が求める「高速で安定した取引インフラ」としては機能しません。既存の証券取引所のようなスムーズさは望めなかったのです。


ソラナが提供する「超高速インフラ」とは?


この問題を解決したのがソラナです。ソラナは「歴史証明(Proof of History, PoH)」という独自技術を使うことで、取引の順番を事前に効率よく証明できます。


これにより、ソラナはウォール街が求める二つの要素を完璧に満たしました。


  • 超高速処理:理論上、1秒間に65,000件以上の取引を処理可能。これは従来の金融インフラに匹敵するレベルです。
  • 超低コスト:平均取引手数料が約0.0001ドル(日本円で1円以下)と、極めて安価です。

数百万回、数千万回という大口取引を繰り返しても、コストの心配がほとんどありません。


注目の「資産のデジタル化」で、なぜソラナが選ばれるのか?


ソラナの高速かつ低コストなインフラは、特に未来の金融の核とされる二つの分野で力を発揮しています。


1. 実物資産のトークン化(RWA)

  • 不動産や国債といった現実の資産を、デジタルな「トークン」としてブロックチェーン上で発行・売買することです。
  • 2025年に入り、ソラナ上でのRWAの資産規模は前年比140%以上も急増しました。Ondo(オンドー)などのプロジェクトが発行する米国債トークンが、ソラナ上でスムーズに取引されています。
  • 金融機関にとって、高速なソラナを使えば、こうしたデジタル化された資産をリアルタイムで流動的に扱うことが可能になります。

2. ステーブルコイン決済

  • デジタルなドルや円(ステーブルコイン)を、世界中へ迅速かつ安価に送金するインフラとしても、ソラナは優れています。
  • 手数料が極めて安いソラナは、大量の決済データを処理する金融機関にとって、最も実用的な選択肢なのです。

Bitwiseのような大手暗号資産運用会社の幹部も、「ソラナこそ、ウォール街が選んだ新しい金融インフラだ」と評価しています。彼らはソラナを単なる暗号資産ではなく、次世代の金融システムそのものとして見ているのです。


今後の役割分担はどうなる?


だからといって、イーサリアムが不要になるわけではありません。イーサリアムは最も長く運用され、セキュリティと信頼性が高い「デジタルな信頼の保管庫」として、その役割を維持し続けるでしょう。


一方、ソラナはリアルタイムでの取引や決済、大規模な金融商品の売買といった「効率性」と「実用性」が求められる現場の道具として使われていく—そんな役割分担が明確に進んでいます。私たちが普段利用する金融サービスも、気づかないうちにソラナのような最新技術によって、すでに変わり始めているのかもしれません。


Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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