日本の機関投資家31%がビットコインにポジティブ、2026年の転換点

two gold bitcoins sitting side by side

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関心を持つ機関投資家の79%が具体的な投資計画を持つと回答した。この数字が意味するのは単なる心理的変化ではないと思います。野村ホールディングスという、機関投資家が最も信頼を置く名前が調査を設計し、社内承認プロセスを持つ層が「様子見」から「実行」へと立場を変えた事実は、個人投資家の積み立てとは桁違いの資金が日本市場に流入する起点になりうる。その引き金がいつ引かれるかは、ステーキングや貸し出しへの60%超の関心が制度の壁を越えられるかどうかにかかっています。


機関投資家は個人投資家とは根本的に動き方が違います。社内承認プロセスがあり、コンプライアンス部門があり、理事会や委員会への説明責任を負っている。そういう立場の人たちが、2年間で明確に意見を変えた。地味に見えて、実は相当重い事実です。


「興味がある」から「買う計画がある」へ

機関投資家のビットコインへのポジティブ率の推移

機関投資家のビットコインへのポジティブ率の推移

出典:野村ホールディングス調査(518名対象)

40% 30% 20% 10% 0%
25%
2024年
31%
2026年
2年間で +6ポイント 上昇 — 懐疑論から関心・検討へ

Source: 野村ホールディングス調査(518名対象)


投資に関心を持つ機関投資家のうち79%が具体的な投資計画を示した、という数字をもう少し丁寧に読んでおきたいと思います。


「興味はあります」という言葉は、実質的に何もしないことの丁寧な表現であることが多い。以前の調査では、関心はあるが様子を見るという層がはるかに多い状況でした。それが今回、大多数が「計画がある」と答えている。観察から実行への移行が、データとして可視化されたわけです。


同調査ではもう一点、ステーキング・貸し出し・トークン化資産といったより高度なプロダクトへの関心が60%を超えているとも報告されています。ビットコインを保有するだけでなく、それを活用しようとしている。単純な価格上昇への賭けとは、性質がだいぶ異なる動きです。


こうした数字が積み重なってくると、「暗号資産を無視する」という選択肢が機関内部でだんだん取りにくくなってきたことが見えてきます。79%という割合が実行フェーズに入れば、日本市場の構造は今後数年で大きく変わるでしょう。


なぜ今、こういう数字が出てくるのか

ビットコインに関心を持つ機関投資家の投資計画保有状況

ビットコインに関心を持つ機関投資家の投資計画保有状況

出典:野村ホールディングス調査(関心あり層)

■ 具体的な投資計画あり:79% ■ 計画なし:21%
79%
21%

79%

「様子見」→「実行計画あり」
観察から実行フェーズへ移行

21%

まだ計画なし

ステーキング・貸し出し・トークン化資産への関心:60%超

Source: 野村ホールディングス調査(ビットコインに関心ありと回答した機関投資家)


調査の発行元が野村ホールディングスである点は、結果の受け取られ方に影響します。機関投資家に対して強い信頼感を持つ名前が出した調査として、社内での議論の材料にしやすい側面がある。一方で、調査対象の選び方によって数字は変わります。もともと暗号資産に関心の高い層が多く含まれていれば、ポジティブな回答は増える。518名が日本の機関投資家全体をどれだけ代表しているかは、確認できない部分もあります。(518名には機関投資家のほか、ファミリーオフィスや公益法人なども含まれています。)それでも傾向として読める内容です。


2025年から2026年にかけて、金融庁は暗号資産に関する制度整備を進めてきました。暗号資産を有価証券的な枠組みに近づける議論が継続しており、機関投資家が社内で「検討できる理由」を作りやすい環境になってきている。規制の見通しが立つと機関は動きやすくなる。これは歴史的に繰り返されてきたパターンで、制度の整備と調査結果の上昇が時期的に重なっているのは偶然ではないでしょう。


bitFlyerやCoincheckとは別の層の話です

機関投資家が暗号資産投資へ至るプロセス

機関投資家が暗号資産投資へ至るプロセス

1

否定・無関心の時代

「暗号資産は投資対象外」— 社内でタブー視

2

様子見・観察フェーズ(2024年:25%)

「興味はあるが動かない」— 海外動向・規制を注視

3

関心・検討フェーズ(2026年:31%)

社内承認プロセス開始 / コンプライアンス確認

4

実行フェーズ(関心層の79%が計画保有)

ビットコイン購入 + ステーキング・貸し出し活用へ

⚡ 転換点:金融庁の制度整備(2025〜2026年)が ステップ3→4 の移行を加速

Source: 記事内容をもとに作成


機関投資家の話をすると、個人向け取引所の動向と混同されることがあります。でも今回の動きは、bitFlyerやCoincheckで口座を開設する個人が増えているという話とは、完全に別の層の出来事です。


機関投資家は億円単位、あるいはそれ以上の資金を動かします。一度動き出すと、市場への影響は個人の何千倍にもなる。31%という割合が実際の購入行動につながった場合、日本国内の暗号資産市場に流入する金額は相当なものになります。正確な試算は難しいですが、規模感として無視できるレベルではない。


個人投資家がbitFlyerやGMO Coinで毎月数万円をコツコツ積み立てている横で、機関が動き始めたとき何が起きるか。その問いを持って調査結果を読むと、6ポイントという数字がまったく別の重さを持ちます。


ステーキングや貸し出しへの関心が60%を超えた意味


単純な保有より複雑なプロダクトへの関心が高いというのは、正直、意外な結果です。機関投資家は一般的にリスク管理に敏感で、複雑な仕組みほど慎重になりやすい。ところが今回の調査では、ステーキングや貸し出しに関心を示す割合が過半数を大きく超えています。これが本当にそのまま実行に移されるなら、日本の暗号資産市場の構造は今後数年で相当変わるでしょう。


ただし「関心がある」と「実際に始める」の間には、制度上の壁がまだあります。日本の機関投資家がステーキングや貸し出しを正式に行うためには、会計処理の方法と規制上の取り扱いが明確になっている必要がある。そこが整うまでの時間差が、今後の焦点です。


金融庁の議論がこの領域にどこまで踏み込むか。その進捗が、60%超という関心を実際の資金フローに変えられるかどうかを左右します。


2024年との差が示す、懐疑論の終わり


25%から31%への変化を、こう読んでいます。懐疑論が消えたわけではない。ただ、「とりあえず無視する」という選択を取りにくくなってきた。


2年前に「様子見」と答えた人たちが今回ポジティブに転じた理由は、価格だけではないと思います。制度の整備、海外機関の動向、社内での暗号資産の話題がタブーではなくなってきたこと。複数の要因が重なったうえでの6ポイントです。


次の調査で31%がどちらに動くかは、市場環境と規制の進み具合に大きく依存します。ひとつ確かなのは、否定と無関心の時代はほぼ終わったということ。次に問われるのは、どう動くかという選択の質です。