韓国のキャッシュレス社会は驚くほど進化しています。特にQRコード決済は日常生活に完全に溶け込み、ソウルの街中では現金を使う人を見かけることが少なくなりました。この記事では、韓国に住む私がQRコード決済の基本から実践的な使い方、そして旅行者が知っておくべき注意点までをわかりやすくご紹介します。これから韓国を訪れる方はぜひ参考にしてみてください。
1. スマホ一つで暮らせる韓国の街
私が住むソウルでは、コンビニでの買い物から地下鉄の切符購入、さらには伝統市場での買い物まで、ほぼすべての場面でQRコード決済が使えます。多くの韓国人は財布すら持たずにスマホだけで外出する習慣が定着しています。最近では年配の方々もスマホ決済に慣れ、70代の隣人のおばあさんも毎朝の市場でQRコード決済を使いこなしています。
韓国のQRコード決済の普及率は世界でもトップクラスで、政府も積極的に推進しています。私も来韓当初は現金派でしたが、今ではすっかりQRコード決済に頼るようになりました。お店によっては現金よりもQRコード決済の方が割引がきくこともあり、経済的にもメリットが大きいのです。
2. みんなが使っている主なアプリはこれ
韓国でQRコード決済を利用するには、まずスマホに専用アプリをインストールする必要があります。多くのアプリがありますが、特によく使われているものをご紹介します。
カカオペイは韓国で断トツの人気を誇ります。メッセンジャーアプリ「カカオトーク」と連携しているため、韓国人のほとんどが利用しています。私も日常的に使っていますが、友達との割り勘や送金機能も充実していて非常に便利です。最近では投資サービスも始まり、さらに機能が充実しました。
操作がシンプルなのも良いところです。支払いのときは画面にQRコードを表示させるか、店舗のQRコードをスキャンするだけ。先日、言葉が通じない外国人観光客がカカオペイでスムーズに支払いをしている場面を見かけ、言語の壁を超える便利さを実感しました。
ネイバーペイは韓国最大の検索エンジン「ネイバー」が提供する決済サービスです。オンラインショッピングでよく使われますが、実店舗でも使えます。私は特にネイバーショッピングで買い物するときに利用しています。ポイント還元率が高く、定期的なキャンペーンもあるので、お得感があります。
ゼロペイは韓国政府が推進する決済システムで、店舗の手数料が0円というのが特徴です。中小規模の店舗でよく使われています。私は地元の八百屋さんでの買い物にゼロペイを使っていますが、店主さんも喜んでくれます。手数料がかからないので、小さな店舗にとってはありがたいシステムなのです。
サムスンペイはサムスンのスマホユーザーなら使えるサービスです。NFCやMST技術にも対応しているため、QRコードだけでなく、通常のカード決済端末でも利用できるのが特徴です。私のサムスンのスマホでは、クレジットカードと連携させて使っています。地下鉄の改札もタッチするだけで通れるので、とても便利です。
3. お店で使うときはこうするだけ
韓国でQRコード決済を使う方法は非常にシンプルです。基本的には2つのパターンがあります。
コンビニやカフェなど小規模な店舗では、店舗側が表示しているQRコードをお客さんがスキャンする方式が一般的です。支払い時に「QRコード決済します」と伝え、店舗が提示するQRコードをスマホのアプリでスキャンし、金額を確認して承認するだけです。先日、近所のコーヒーショップでこの方法で支払った際、たった3秒で完了して店員さんに驚かれました。
デパートやスーパーなど大型店舗では、顧客が表示したQRコードを店舗側がスキャンする方式が主流です。決済アプリを開いて自分のQRコードを表示し、レジの店員さんにスキャンしてもらい、スマホに通知が来れば完了です。先週百貨店でこの方法を使った時、隣に並んでいた外国人観光客が「どうやって支払うの?」と聞いてきたので、QRコード決済の方法を教えてあげました。
4. こんなところで使えます
韓国では本当に様々な場所でQRコード決済が使えます。その範囲は驚くほど広いです。
日常の買い物では、コンビニ、スーパー、デパート、ドラッグストアなどで当たり前のようにQRコード決済が使えます。私の場合、朝のコーヒーから夜の食料品の買い出しまで、一日のすべての買い物をQRコード決済で済ませることも珍しくありません。先日、大雨の日にコンビニに傘を買いに行ったとき、財布を忘れていたのにQRコード決済のおかげで無事に傘を購入できました。
飲食店でも、レストラン、カフェ、フードコート、屋台に至るまで、ほとんどのところでQRコード決済が利用可能です。最近では伝統市場の食堂でもQRコード決済に対応するところが増えています。先月、東大門市場の古い食堂でサムゲタンを食べたとき、おばあさんの店主がタブレットでQRコード決済を受け付けていたのには驚きました。
交通機関では、タクシー、バス、地下鉄などの公共交通機関でもQRコード決済が使えます。特にタクシーは、カカオTタクシーアプリと連携すれば、乗車から支払いまでがシームレスになります。先日、急いでいるときにタクシーを利用しましたが、降りるときの支払いがQRコードで即座に済み、会議に間に合いました。
サービス施設も、病院、美容院、映画館、遊園地などでも広くQRコード決済が採用されています。予約から支払いまでアプリ一つで完結することも多いです。先週、歯医者に行ったときも受付でQRコード決済ができました。
5. 使うときの注意点とは
便利なQRコード決済ですが、使う際にはいくつか注意点もあります。私自身の経験も交えながらご紹介します。
セキュリティ対策として、スマホの画面ロックは必ず設定し、アプリ自体にもパスワードやパターンロックをかけることをお勧めします。先日、友人がスマホを一時的に紛失した際、決済アプリにパスワードをかけていたおかげで不正利用されずに済みました。
バッテリー切れや通信障害に備えることも大切です。QRコード決済の弱点は、スマホのバッテリーがなくなると使えなくなることです。長時間外出する予定がある場合は、モバイルバッテリーを持参するか、少額の現金も携帯しておくと安心です。冬のソウルでスマホが寒さで急速にバッテリーを消費し、帰りのタクシー代が払えなくなりそうになった経験があります。
不正なQRコードに注意することも大切です。偽造されたQRコードに注意し、信頼できる店舗のQRコードを利用し、見知らぬ場所に貼られたQRコードは安易にスキャンしないようにしましょう。以前、地下鉄の駅で怪しげなQRコードが貼られているのを見かけたことがあります。
外国人観光客は、QRコード決済アプリを利用する場合、登録に韓国の電話番号や銀行口座が必要なケースが多いです。短期旅行者は事前に別の支払い方法も確保しておくと安心です。日本から来た友人は、韓国の電話番号がないためカカオペイの登録に苦労していました。
6. こんなメリットがあります
韓国でQRコード決済を使うことには、多くのメリットがあります。日々の生活の中で感じている利点をご紹介します。
会計の速さと便利さがまず挙げられます。レジに並んでいる時間が大幅に短縮されるのは大きなメリットです。特に昼食時の混雑するフードコートやカフェでは、支払いの速さが重要です。先日のランチタイム、会社近くの人気店は長蛇の列でしたが、QRコード決済のおかげで会計が素早く済み、限られた昼休みを有効に使えました。
家計管理のしやすさも魅力です。支出履歴がアプリに自動記録されるため、家計簿をつける手間がなくなります。カテゴリー別の支出分析も簡単にできるため、節約意識が高まります。月末にアプリで支出レポートを確認すると、外食費が予想以上に多かったことに気づき、翌月から弁当持参を増やしました。
ポイントやキャッシュバックも見逃せません。多くのQRコード決済アプリでは、利用に応じてポイントやキャッシュバックが付与されます。特定の店舗や期間限定のキャンペーンを活用すれば、さらにお得に買い物ができます。先月のカカオペイのキャンペーンでは、特定のカフェチェーンで30%キャッシュバックがあり、普段より安くコーヒーを楽しめました。
衛生面での安心も大きな利点です。現金の受け渡しがないため、接触機会が減り、衛生的です。特にコロナ禍以降、非接触決済の需要が高まり、QRコード決済はさらに普及しました。医療機関での支払いも非接触で済むのは、感染リスクを考えると大きな安心感があります。
韓国に住んで実感するのは、QRコード決済がただの支払い手段ではなく、生活スタイルを変えるツールになっているということです。財布を持たずに外出する手軽さ、支出を簡単に管理できる便利さ、そしてポイントやキャッシュバックで得られる経済的メリット。これらが一体となって、韓国のキャッシュレス社会を支えています。
もし韓国を訪れる機会があれば、ぜひQRコード決済を体験してみてください。少し準備が必要かもしれませんが、その便利さを実感すれば、自国のキャッシュレス事情も違った視点で見られるようになるかもしれません。私自身、韓国に来てQRコード決済に慣れた後は、日本に一時帰国したときに現金社会に戻ることに少し戸惑うほどです。
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