ソニーA7R5の予算で中古のライカM10を選ぶ理由と資産価値の裏側

木製のデスクの上で、カメラの売買相場や資産価値の推移をスマートフォンのグラフで確認しながら、銀色のライカM10を大切に手入れしている個人の日常風景。


最新のデジタルカメラは驚異的な進化を遂げていますが、2026年現在の市場価格を見ると、ある興味深い現象が続いています。具体的には、ソニーの最新高画素機であるA7R5を新品で購入するのと、数年前の中古ライカM10を手に入れるのが、ほぼ同じ予算圏内にあるという事実です。一方は最新のAI技術と圧倒的な解像度を誇り、もう一方はマニュアル操作が主体のクラシックな道具ですが、この選択には単なる趣味を超えた経済的な合理性が隠されています。


性能と資産価値の反比例関係


デジタルガジェットとしてのカメラを考えると、ソニーA7R5は間違いなく正解に近い選択肢です。しかし、購入した瞬間に価値が下がり始めるという電子機器特有の宿命を抱えています。対照的にライカM10は、デジタルカメラでありながら、その価値が極めて安定しており、場合によっては購入時より高く売却できることさえあります。


ライカM10の市場価値を支える要素

  • 生産終了後も衰えない世界的な需要
  • デジタル化しても変わらない真鍮製ボディの耐久性
  • レンズ資産が数十年単位で共有できるマウントの継続性
  • ブランド自体が持つラグジュアリー市場での地位


ソニーA7R5の価値を左右する要素

  • 次世代機が登場した際の急激な価格の下落
  • センサーや処理エンジンの世代交代による旧式化
  • 電子部品の寿命が中古査定に与える影響
  • 大量生産モデルゆえの市場供給量の多さ


わたしが市場の動きを見ていて感じるのは、カメラを消費財として捉えるか、あるいは換金性の高い資産として捉えるかの違いです。A7R5は最新の仕事を完璧にこなすための最高のツールですが、数年後の下取り価格を想像すると、その維持費は決して安くはありません。一方でM10は、初期投資こそ大きいものの、手放す際の回収率が非常に高いため、実質的な使用コストが驚くほど低くなることがよくあります。


最新技術の賞味期限とクラシックの普遍性


ソニーA7R5に搭載されているAIプロセッシングユニットや6100万画素のセンサーは、現在の最高峰です。しかし、技術の進化は残酷で、さらに高性能なモデルが出れば、その魅力は相対的に薄れてしまいます。中古のライカM10を選ぶ人々は、そうしたスペック競争から降りることで、逆に長期的な満足度と経済的な安心感を手に入れています。


具体的なコストパフォーマンスの比較

  • 新品A7R5の購入価格と3年後の想定買取価格の差額
  • 中古M10の現在の流通価格と過去3年間の価格推移の安定性
  • 故障時の修理費用とメーカーのサポート体制の継続期間
  • 周辺アクセサリーの流用性と再販価値の高さ


もし、手元の資金を減らさずに写真という体験を楽しみたいのであれば、ライカという選択は決して贅沢ではありません。むしろ、激しい減価償却にさらされる最新の国産機を買い続けることの方が、長期的には大きな出費を強いることになります。


道具選びにおける賢い立ち回り方


カメラ選びは、スペック表の数字を比較するだけでは不十分です。実際にその道具を数年間所有した後に、いくら自分の手元に現金が戻ってくるかを計算に入れる必要があります。M10のレンジファインダーを通した不自由な撮影体験が、実は最も自由な資産運用に繋がっているという逆説的な状況が生まれています。


  • 中古市場での流通個数を定期的にチェックする習慣
  • 外観のコンディションが価格に与える影響の把握
  • 主要な中古販売店の買取強化リストの確認
  • シャッター回数よりもメンテナンス履歴を重視する視点


今の時代、何を所有するかは、そのまま自分の資産をどう守るかに直結しています。最新の便利な機能に投資するのも一つの道ですが、あえて少し古い、けれど価値の落ちない名機に資金を預けておくという考え方も、これからのライフスタイルにはフィットするはずです。


こうした視点を持って、改めて防湿庫の中身や次に買う一台を検討してみてはいかがでしょうか。賢い選択が、次の趣味への資金を運んできてくれるかもしれません。