ハーバードがGoogleよりビットコインETFを選んだ本当の理由

ハーバード大学がGoogleよりビットコインETFに多くの資金を投じました。具体的にはBlackRockのビットコインETFに1億1,670万ドル、Googleの親会社アルファベットには1億1,400万ドルです。わずか270万ドルの差ですが、これが示唆することは意外と大きいんです。


金色のチェス駒とビットコインが黒いチェス盤の上に配置されている投資戦略を表現した画像


名門大学基金が暗号資産を選んだ裏側


ハーバードのような保守的な機関がビットコインに投資するって、正直驚きですよね。しかも直接ビットコインを買うのではなく、ETFという方法を選んだんです。


これって泳げない人が救命胴衣を着て海に入るようなものです。


直接ビットコインを保有するなら、秘密鍵の管理からハッキングリスクまで気を配ることが山ほどあります。でもETFなら、こうした複雑なプロセスを全部スキップできます。SEC承認も受けていて、証券取引所で株式のように売買できますから。


ハーバードがこの選択をしたのは、単に便利だからというわけではありません。ポートフォリオで5番目に大きな投資項目になったということは、ビットコインを金よりも重要視しているというサインなんです。


「安全な露出」という幻想が崩れる瞬間


でも、この「安全な露出」戦略、本当に安全でしょうか。


ビットコインは24時間取引されているのに、ETFは証券市場の取引時間だけしか売買できません。週末にビットコインが暴落したら、月曜日まで何もできないということです。実際、去年こんなことが何度かありました。


もっと大きな問題は、ほとんどのビットコインETFがCoinbaseのような一つか二つのカストディアンに資産を預けていることです。これはすべての卵を一つのカゴに入れるようなもの。そのカゴが落ちたら?考えるだけでゾッとします。


手数料も無視できません。ETF運用手数料、取引手数料、価格乖離による損失まで。直接投資より安全という代償として、かなりのコストを払っているわけです。


ポートフォリオ多様化がもたらす新しい視点


ハーバードの今回の決定が興味深いのは、単にビットコイン投資だけの話ではないからです。


従来のテック株中心から、デジタル資産へと重心を移しているというシグナルなんです。Googleのようなビッグテック企業もいいけれど、それだけでは未来を捉えきれないと判断したわけです。


特にビットコインETFを通じた投資は「規制された革新」という新しい投資パラダイムを示しています。完全に新しいものでもなく、完全に伝統的なものでもない、その中間地点を見つけたんです。


機関投資家が動き始めた意味


ハーバードのような名門大学基金がビットコインETFに参入したことは、市場に大きなシグナルを送っています。


他の大学基金も追随する可能性が高いです。実際、イェール大学やMITも似たような動きを見せているそうです。これは暗号資産がもはや投機的な資産ではなく、正式な資産クラスとして認められ始めたということです。


今後はイーサリアムETFやメタバース関連の金融商品へと投資領域が広がる可能性もあります。デジタル資産エコシステム全体に機関資金が流入する起点になるかもしれません。


投資の未来はどう変わるか


結局、ハーバードの選択は単なる投資決定ではありません。未来の金融環境変化への先制的対応であり、新しい資産クラスへの承認であり、同時に安全性と革新性の両方を追求する試みです。


もちろんETFが万能というわけではありません。中央集権化リスク、取引時間制限、手数料問題など、限界は明確にあります。それでも機関投資家にとっては、現実的に最も合理的な選択肢であることも事実です。


こうした流れが続けば、5年後、10年後には暗号資産が株式や債券のように当たり前の投資オプションになるかもしれません。


そのころには「なぜビットコインに投資するのか」ではなく「なぜビットコインに投資しないのか」という質問を受けることになるかもしれませんね。


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