ビットコインと金の相関係数が0.6を超えたって、これ本当に「デジタルゴールド時代」の始まりなんでしょうか。
2025年に入って、この180日相関係数が急上昇。一時期は30日相関で0.70まで跳ね上がったデータを見て、正直驚きました。でも数字だけ見て飛びつくのはちょっと待った方がいいかもしれません。
相関係数0.6が意味する微妙な関係
相関係数0.6って、「かなり似た動きをする」けど「完全に一緒じゃない」という微妙なラインです。
ポートフォリオで考えると、リスク分散効果は期待できるけど限定的。金が下がるとき、ビットコインも道連れになる可能性が高まったということです。実際、2025年4月のデータでは、ビットコインと金の相関が強まる一方で、ナスダックとの相関は0.53まで低下。これ、ビットコインが「リスク資産」から「安全資産」に変身しつつあるサインなのか。
でも3月以降の動きを見ると、金は16%上昇、ビットコインは6%下落。やっぱり別物なんですよね。
デジタルゴールドって本当?
「ビットコイン=デジタルゴールド」説、確かに共通点はあります。供給量に上限がある(ビットコイン2100万枚)、インフレヘッジになる、政府がコントロールできない。
でも決定的な違いも。ビットコインの変動率は金の5倍以上。金は5000年の歴史、ビットコインはまだ16年。そして何より、金は電子機器や医療機器に使われる実需があるけど、ビットコインは純粋な金融資産です。
なぜ今、相関が高まったのか
最近の相関上昇、いくつか理由があります。
まず世界経済の不確実性。米国の金利政策が読めない、貿易摩擦が激化、地政学リスクも高まってる。こんな状況で、投資家は金もビットコインも「代替資産」として見始めた。
それと2024年のビットコイン現物ETF承認。これで伝統的な金融機関のお金が流れ込んで、金ETFとビットコインETFを同じカテゴリーで運用する動きが出てきたんです。
実際の投資でどう活かす?
相関係数0.6の環境で、私が試している戦略はこんな感じです。
金とビットコインを合わせてポートフォリオの10〜15%以内に収める。比率は金7:ビットコイン3くらい。これでリスクを抑えつつ、上昇の可能性も残す。
リバランスは月1回に。ビットコインが20%以上動いたら即座に調整。GlassnodeやTradingViewで相関係数をチェックしながら判断してます。
あとはDCA(定額積立)で入るタイミングを分散。一気に買うより心理的にも楽だし、平均取得単価も安定します。
見逃せないリスクポイント
高い変動性は相変わらず。規制リスクも消えてません。取引所のハッキング事件が起きれば、規制強化は避けられない。
技術的な限界もまだ残ってる。処理速度の問題、エネルギー消費の課題。レイヤー2ソリューションが出てきてるけど、根本解決にはなってません。
そして投資家心理への依存度。中央銀行も保有する金と違って、ビットコインはまだ個人と一部機関が中心。市場心理が変われば価格も急変します。
これから注目すべき指標
相関関係の持続性を判断するなら、こんな指標をチェック。取引所のビットコイン保有量、長期保有者の割合、マイナーの売り圧力。あとは米国CPIと金利動向、ドルインデックスの動き、各国中央銀行の金購入量も重要です。
相関係数0.6という数字は、デジタルゴールドの物語が市場に浸透し始めた証拠。でもこれが恒久的なものか、一時的な現象かはまだわかりません。
大切なのは、数字に振り回されず、各資産の本質を理解すること。ビットコインは依然として高リスク・高リターン、金は伝統的な安全資産。この事実は変わってないんです。
バランスが全て。デジタルゴールドストーリーに賭けすぎず、慎重に配分を調整しながら市場を観察。これが賢明な戦略になるはずです。
Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。