イーサリアムの検証者待機列が2年ぶりの最高値って、これ何が起きてるの?


2025年8月、イーサリアムの検証者出金待機列が67万ETH(約31億ドル相当)を超えました。待機時間は12日間。これ、2024年1月以来の最長記録です。でも同時に、新規参入の待機列も10万ETHを超えていて、まだまだステーキング需要は強いんです。


なんでこんなに待機列が伸びたのか


イーサリアムの価格が2025年4月の底値から160%も上昇したんです。低い価格でステーキングしていた人たちが、利益確定のために一斉に動き出したわけです。


ただ、イーサリアムのネットワークには「churn limit」という仕組みがあって、1日に処理できる検証者数を制限しています。1日の最大進入可能数は2,200人、最大出金可能数は3,375人。これ、ネットワークの安定性を保つための設計なんです。


もう一つ大きな要因があります。SEC(米国証券取引委員会)が2025年5月に「ステーキングは証券法違反じゃない」と明確にしたんです。これで機関投資家がどっと入ってきました。SharpLink Gamingなんて、13億ドル以上のETHを集めてステーキング報酬を狙っています。


ETH ETFとの意外な関係


ETH現物ETFが承認されてから面白い現象が起きています。ETF運用会社は実際のイーサリアムを買わなきゃいけないんですが、ただ持ってるだけじゃなくて、ステーキングで追加収益を狙ってるんです。


機関投資家たちは、従来の32ETH単位から2,048ETH単位に統合する過程で、一時的に待機列を増やしています。長期投資の観点からETFの魅力が上がって、ステーキング需要も続いているという構図です。


リキッドステーキングトークン(LST)市場も変化しています。Lido DAOだけで22万3千ETHが出金待ち。待機時間は70時間から150時間に倍増しました。一方で、Binanceのステーキングプログラムに資金が流れる動きも見えています。


ネットワークの安全性は大丈夫?


待機列が長くなっても、ネットワークが危険になるわけじゃありません。むしろこれ、意図的な設計なんです。


大量の検証者が一気に抜けるのを防いで、ネットワークのセキュリティを維持する。まだ200万人以上の活発な検証者がいます。出金待ちのETHも、実はまだネットワークのセキュリティに貢献しています。


それに、待機列にあるETHが全部売られるわけじゃないんです。かなりの部分は再ステーキングされたり、DeFiで活用されたり、機関のカストディに保管される可能性が高いです。


実際に使える情報として


validatorqueue.comでリアルタイムで確認できます。進入と出金の待機列の比率を見れば、市場のセンチメントがわかります。待機時間の変化で需給予測もできます。


ステーキングを考えているなら、出金に最低2週間はかかることを覚えておいてください。リキッドステーキングを使えば流動性は確保できます。価格変動リスクへのヘッジ戦略も立てておいたほうがいいでしょう。


これからの動き


2025年末に予定されている「ペクトラ(Pectra)」アップグレードでは、検証者あたり最大2,048ETHまでステーキングできるようになります。機関投資家の参加がさらに活発になるでしょう。


EigenLayerのようなリステーキングプロトコルも注目されています。検証者たちは単に出金するんじゃなくて、より高い収益を求めて資金を再配置しているケースが増えています。


検証者待機列の変動は、イーサリアムネットワークの活発さを示す自然な現象です。短期的な変動に一喜一憂せず、長期的なネットワーク成長の可能性に注目することが大切かもしれません。


こんな感じで、今のイーサリアムのステーキング市場、けっこう面白い動きをしています。


Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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