DeFi融資のTVL爆増、機関マネーが殺到する本当の理由


2025年に入ってDeFi融資市場のTVL(総預かり資産)が72%も急増して、1,270億ドルを突破しました。イーサリアムネットワークだけでも毎日数十億円規模の機関資金が流入しているのですが、なぜ急にこんな現象が起きているのでしょうか。


機関投資家がDeFi融資に注目する理由


以前はDeFiといえば個人投資家の実験場でしたが、今では年金基金やヘッジファンドといった大手の遊び場になっています。


最大の変化は「実物資産のトークン化(RWA)」です。不動産や国債といった安定資産をデジタルトークンにして、DeFi融資の担保として使えるようになったんです。例えば10億円の建物をトークン化すれば、1万円単位で分割投資もできるし、それを担保に融資も受けられます。


機関が気に入っているもう一つの理由は「ノンカストディアル融資モデル」です。銀行のような仲介者なしに、スマートコントラクトが自動で融資を処理してくれるから手数料も安く、スピードも速い。24時間365日いつでも融資可能というのも魅力的ですね。


実物資産トークン化が変える融資の風景


RWAがDeFi融資に与える影響は想像以上に大きいです。


まず、担保の安定性が格段に上がりました。ビットコインやイーサリアムのように1日で10-20%も変動する暗号資産の代わりに、不動産や債券といった安定資産を担保に使えるようになったんです。担保清算リスクが減ったので、機関も安心して参入できるようになりました。


次に、流動性が爆発的に増えています。普通、不動産を売るには数ヶ月かかりますよね。でもトークン化すればクリック数回で取引完了。この流動性がDeFi融資市場をさらに活発にしているんです。


そして伝統金融とDeFiの境界が曖昧になってきています。JPモルガンのような大手銀行もRWAトークン化事業に参入。伝統金融の資本とDeFiの技術が融合して、すごいシナジーが生まれています。


TVL上昇がもたらす連鎖反応


TVLが高いということは、単にお金が集まったという意味を超えています。


プロトコルの安定性が向上し、大口取引でも価格変動が少なくなります。収益率も安定化して、予測可能な利回りが期待できるようになりました。ただし注意も必要です。TVLが高いからといって安全とは限りません。スマートコントラクトのリスクは依然として存在し、一度のハッキングで全資金が消える可能性もあります。


機関専用プラットフォームの登場


Aave Arcのような機関専用サービスが続々登場しています。KYC(本人確認)を経た機関のみが参加できる専用プールで、規制遵守が必須の機関向けのカスタマイズされたサービスです。


Compound Treasuryも似たようなサービスを提供していて、年率4%の固定利回りを保証しています。伝統金融の定期預金に似ていますが、ブロックチェーンベースでより透明で効率的です。


これからのDeFi融資市場


専門家は年間30-50%の成長を予測しています。主な成長要因は、レイヤー2ソリューションによるガス代削減、AI基盤の信用評価システム導入、クロスチェーン融資サービスの拡大などです。


初心者の方は、まずテストネットで練習することをおすすめします。AaveもCompoundもテストネット版があるので、仮想通貨で十分練習してから本番に挑戦してください。


DeFi融資市場の成長はまだ始まったばかり。機関資金の本格的な流入で市場は成熟しつつありますが、まだまだ初期段階です。今後さらなる革新と変化が待っているでしょう。


Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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