ビットコインウォレットでステーブルコインも管理?テザーのRGB導入で何が変わるのか


2025年8月28日、テザーがRGBプロトコルでUSD₮をビットコインに直接載せると発表しました。これまでビットコインとステーブルコインは別々のウォレットで管理するのが当たり前でしたが、ついに一つのウォレットで両方扱えるようになります。


最初聞いたとき、正直ピンと来ませんでした。ビットコインってそもそも送金遅いし、手数料高いイメージがあったので。


なぜ今さらビットコインなのか


テザーのUSDTって、イーサリアムやトロンで使うものだと思っていました。実際、今まではそうでした。でもRGBプロトコルという新しい技術が7月にメインネット版0.11.1をリリースして、状況が変わったんです。


RGBの仕組みを簡単に説明すると、ビットコインのUTXO(未使用の取引出力)を活用して、オフチェーンでデータを管理します。つまり、ビットコインのセキュリティを保ちながら、プライバシーと処理速度を大幅に改善できるんです。


面白いのは「ブラインドUTXO」という機能です。送金相手の情報を完全に隠せるので、誰が誰にいくら送ったか分からなくなります。普通のブロックチェーンだと全部丸見えですから、これは大きな違いです。


実際に使うときのリスク


もちろん良いことばかりではありません。実務的に考えると、いくつか気をつけるべき点があります。


まず、テザー社への依存度が高いこと。中央集権的な発行体なので、準備金の透明性や経営リスクは常につきまといます。


次に、1ドルペッグの安定性。市場が大きく動くと、一時的に1ドルから乖離する可能性があります。


規制リスクも無視できません。各国政府のステーブルコイン規制は日々厳しくなっています。


既存のUSDTとどう違うのか


技術的な違いを整理してみました。


従来のUSDTは、イーサリアムなど別のブロックチェーンで動きます。スマートコントラクトに依存し、取引履歴は全て公開されます。


一方、RGB版のUSD₮は、ビットコインネイティブで動作。UTXOモデルを直接使い、オフチェーンでプライバシーを確保。ビットコインウォレットでそのまま管理できます。


この違いは思った以上に大きいです。例えば、ライトニングネットワークと組み合わせれば、ほぼ即時決済が可能になります。コーヒー一杯の支払いも現実的になるかもしれません。


長期的にはどうなるか


RGB基盤のUSD₮が普及すれば、ビットコインは「デジタルゴールド」から「日常決済手段」へと進化する可能性があります。


国際送金の手数料削減、DeFiエコシステムの拡大、企業のB2B決済への採用など、影響は多岐にわたります。特に新興国では、銀行口座を持たない人々にとって重要なインフラになるかもしれません。


9月10日にソウルで開催される「オンチェーン・シンポジウム2025」では、テザーが主催者として参加し、より詳しい技術セッションが行われる予定です。


こんな感じで、ビットコインの使い方がまた一つ増えそうです。まだ実装前なので、実際どうなるかは使ってみないと分かりませんけどね。


本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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