ソラナはイーサリアムより100倍速いのに、なぜイーサリアムが時価総額2位なのか


ソラナとイーサリアムの取引速度を比較すると、驚くべき差があります。ソラナは実測で1,350TPSを記録し、イーサリアムの約15〜30TPSを大きく上回っています。手数料に至っては、ソラナが約0.025セント、イーサリアムが平均2.93ドルと、10,000倍以上の開きがあります。


それでも2025年10月時点で、イーサリアムは時価総額2位を維持し、ソラナは6位です。この差は何によって生まれるのでしょうか。


圧倒的な速度差の理由


ソラナが高速である理由は、独自のPoH(Proof of History)という仕組みにあります。これは時間に注目した革新的な手法で、従来のブロックチェーンとは異なるアプローチです。


2025年7月には、年初来最高となる1,350TPSを実際に達成しました。これはイーサリアムの約95倍の速度です。さらに、2025年に実装予定のFiredancerというアップグレードでは、理論上100万TPSまで処理できる可能性が示されています。


NFTをひとつ購入する場合、ソラナなら約0.4秒で完了しますが、イーサリアムは約13秒かかります。ゲームや高頻度取引では、この差が決定的な意味を持ちます。


手数料格差の実態


手数料の差はさらに顕著です。ソラナの平均取引手数料は0.00025ドル、イーサリアムは状況次第で数ドルから数十ドルに達します。


NFTのミント作業なら、ソラナは数セントで済みますが、イーサリアムでは数千円から数万円かかることもあります。DeFiで50回のトークンスワップをするとして、ソラナは10セント程度、イーサリアムでは数万円になる可能性があります。


レイヤー2ソリューションを使えば、イーサリアムの手数料は0.10〜1.00ドルまで下がりますが、それでもソラナの400〜4,000倍です。


分散化こそがイーサリアムの強み


速度と手数料で劣るイーサリアムが、なぜ上位を保っているのか。答えはバリデータ数にあります。


イーサリアムには約30,000人のバリデータがいるのに対し、ソラナは2025年4月時点で約1,295の検証ノードです。2025年3月の別の集計では3,248のアクティブバリデータとされていますが、いずれにしてもイーサリアムの方が10倍以上分散化されています。


ソラナのナカモト係数は20です。これは、ネットワークを検閲するために共謀が必要な最小バリデータ数を示す指標で、この数字が大きいほど分散化が進んでいることを意味します。イーサリアムの方がはるかに高い数値を持っています。


金融機関や大口投資家は、速度よりも安全性を重視します。ネットワークが停止するリスクや、特定の勢力による操作の可能性が低いほど、信頼されます。イーサリアムは10年以上の稼働実績があり、その間大きな事故を起こしていません。


生態系の規模が違う


イーサリアムはDeFiプラットフォームの預かり資産の約55%を占めています。ソラナのTVLは2025年5月時点で約93億ドルですが、イーサリアムははるかに大きな規模です。


UniswapやAave、Compoundといった主要なDeFiプロトコルは、すべてイーサリアム上に存在します。開発者も圧倒的に多く、ブロックチェーン業界の開発者の38%がイーサリアムエコシステムで働いており、ソラナは9%です。


用途によって選ばれる理由


NFT取引や軽量なアプリケーションには、ソラナの方が向いています。pump.funというプラットフォームでは、2025年5月までに800万以上のミームコインが作成され、約7億ドルの収益を生み出しました。少額取引が頻繁に発生するサービスには、ソラナの低コストが大きな利点になります。


逆に、大規模な資金管理や長期的な信頼性が求められる場面では、イーサリアムが選ばれます。ネットワークの安定性と分散性が、何より重要だからです。


2025年の展望


ソラナは2025年にFiredancerの実装を予定しており、これにより処理速度が現在の10倍以上向上する可能性があります。カナダでは2025年4月に北米初のソラナ現物ETFが上場し、機関投資家の関心も高まっています。


一方、イーサリアムは2025年第一四半期からPectraアップグレードを予定しており、L2の性能がさらに向上する見込みです。シャーディング技術により、将来的には10万TPSを目指しています。


興味深いのは、2025年にソラナがETHとBNBを取引量の伸び率で上回っている点です。実際の利用が急増しており、エコシステムの活性化が数字に表れています。


結局どちらを選ぶべきか


速さと安さを求めるならソラナ、安全性と実績を重視するならイーサリアムという選択になります。どちらが優れているかではなく、何を優先するかの問題です。


今後、クロスチェーン技術が発展すれば、両方の長所を組み合わせて使うことも可能になるでしょう。ブロックチェーンも結局は道具です。目的に応じて、適切なものを選べばいいだけの話です。


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