ビットコイン12万ドル突破、でも円建てで見たらもっと凄かった


ビットコインが2025年7月14日に史上初めて12万ドルを突破しました。8月14日には124,000ドルまで到達し、10月に入って再び12万ドル台に復帰しています。


ただ、日本で暮らす身としては、円建ての数字のほうが実感があります。10月現在、円建てでは1,890万円という最高値を更新中です。


なぜ第4四半期なのか


ビットコインの価格推移を追っていると、10月から12月にかけて妙に強い動きをすることに気づきます。


Coinglassのデータを見ると、2013年以降、第4四半期の平均上昇率は85%です。月別では11月が平均46%の上昇で最も強く、10月も21%上昇しています。


半減期の翌年に当たる年は特に顕著です。2024年4月に半減期があったため、2025年の第4四半期にも同じパターンが期待されています。


理由はいくつか考えられます。年末に向けた機関投資家のポートフォリオ調整、ボーナス時期の個人投資家の参入、そして過去のデータが示す季節性に対する市場の自己実現的な反応です。


今回が違う点


過去の第4四半期上昇と決定的に異なるのは、構造的な変化です。


2024年1月に承認された米国のスポットビットコインETFが、2025年も資金を吸収し続けています。ブルームバーグの報道によれば、ブラックロックのIBIT ETFだけで資産規模が800億ドルに達しました。これはETF史上最速の成長です。


7月14日の12万ドル突破の背景には、米下院での「暗号資産週間」という動きがありました。複数の暗号資産関連法案が審議され、トランプ政権の友好的な姿勢が市場心理を押し上げました。


10月3日の急騰は、米政府機関の一部閉鎖を受けたものです。政治的不確実性が高まると、無国籍資産であるビットコインに資金が流れる傾向があります。


韓国でも同様の動きは観察されていますが、日本の場合、円安の影響で円建て価格の上昇がドル建てより際立っています。為替の動きも含めて考えると、二重のボーナスとなっている面があります。


過熱感と調整


短期的には注意も必要です。


RSI(相対強度指数)が過熱圏に入っており、技術的な調整の可能性が指摘されています。実際、9月には一時1,600万円台まで下落しました。


それでも10月に入って再び1,890万円の最高値を更新したことは、下値の堅さを示しています。


CoinDesk Japanによると、オプション市場では行使価格12万ドルと14万ドル、15万ドルのコールオプションに建玉が集中しています。市場参加者はさらなる上昇を見込んでいる状況です。


2021年との違い


2021年第4四半期も大きく上昇しましたが、当時とは市場の成熟度が違います。


2021年は個人投資家のFOMOが主導した相場でした。一方、2025年はETFを通じた機関資金が中心です。楽天ウォレットの分析でも、今回の上昇は長期保有者による買い集めが背景にあると指摘されています。


企業のバランスシートにビットコインを組み込む動きも加速しています。グローバルでは273社以上の上場企業がビットコインを保有しています。日本のメタプラネットも2025年第2四半期に797BTCを追加購入しました。


年末に向けて


スタンダードチャータード銀行は年末目標を132,000ドル、12ヶ月目標を181,000ドルとしています。


ただし、これらの予測が実現するかは、米国の金融政策、規制環境の変化、そしてETFへの継続的な資金流入次第です。


個人的には、過去のパターンだけで判断するのは危険だと考えています。市場の構造が変わっている以上、過去と同じ動きをするとは限りません。


それでも、第4四半期の季節性と構造的な買い圧力が重なっている現状は、上昇圧力として機能する可能性が高いでしょう。


重要なのは、短期の値動きに一喜一憂せず、自分の投資方針を守ることです。


Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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