イーサリアムで取引したことがある人なら、一度は考えたことがあるはずです。「これ、ガス代の方が高くない?」って。
実は2025年の今、イーサリアム上のミームコインとDeFi(分散型金融)は、まったく違う道を歩んでいます。ミームコインは遊び場のような存在で、DeFiは銀行に近い。同じブロックチェーン上にあるのに、目指す方向が全然違うんです。
ミームコインの現実は思ったより厳しい
ミームコインって、誰でも簡単に作れるんです。ERC-20という規格を使えば、技術的な知識がなくてもトークンを発行できます。でも、実際に取引しようとすると話は別です。
イーサリアムのガス代は、ネットワークが混雑すると急騰します。1万円分のミームコインを買おうとして、手数料が5千円かかったら? 多くの人は諦めます。だから最近、ミームコインのプロジェクトはソラナやBSC(バイナンススマートチェーン)に移っているんです。
日本でも、2024年末から2025年初頭にかけて、いくつかのミームコインが話題になりました。でも、イーサリアム上で立ち上がったプロジェクトは少なかったです。理由は単純で、コストに見合わないから。
DeFiこそイーサリアムの本領
一方、DeFiはイーサリアムの強みを最大限に活かしています。なぜなら、金融サービスにとって一番大事なのは信頼性だからです。
具体的な数字を見てみましょう。イーサリアム上のDeFiプロトコルに預けられている資産は、2025年9月時点で約450億ドル以上。これは日本円で約6.7兆円に相当します。ミームコインの時価総額とは桁が違います。
代表的なDeFiサービスとして、Aave(レンディングプロトコル)やUniswap(分散型取引所)があります。これらは年間数十億ドル規模の取引を処理していて、機関投資家も実際に使っています。
収益モデルもはっきりしています。流動性を提供すれば取引手数料の分配を受け取れるし、貸し出しをすれば年利5〜10%程度の利息が得られます。もちろん、スマートコントラクトのリスクは常にありますが、透明性は従来の金融システムよりはるかに高いです。
レイヤー2が状況を変えた
2024年から2025年にかけて、イーサリアムの風景は大きく変わりました。レイヤー2と呼ばれる技術の普及です。
Arbitrum、Optimism、zkSyncといったレイヤー2では、ガス代がメインネットの10分の1以下になります。1ドル程度で何度も取引できるようになったことで、少額でのミームコイン取引も現実的になりました。
実際、日本でも利用者が増えています。特にArbitrumは、2025年に入ってから日本語対応を強化し、日本の暗号資産取引所との連携も進んでいます。
ただし、メインネットとレイヤー2の間を移動する際のブリッジには、まだコストと時間がかかります。この点は今後の改善が期待されています。
日本から見たイーサリアムの立ち位置
日本の暗号資産市場は、規制が厳しい分、安全性が高いと言われています。金融庁の監督下にある取引所では、扱える銘柄が限られていますが、その代わり詐欺的なプロジェクトは排除されやすいです。
イーサリアムは、日本の主要取引所すべてで取り扱われています。DeFiへのアクセスも、MetaMaskなどのウォレットを使えば可能です。ただし、税務処理が複雑なのが難点で、DeFiでの利益確定には注意が必要です。
最近は、日本企業によるRWA(現実資産のトークン化)プロジェクトも始まっています。不動産や債券をトークン化してブロックチェーン上で取引する試みで、イーサリアムが主要なプラットフォームとして使われています。
これから先、どう付き合うか
イーサリアムは、ミームコインとDeFiの両方を包み込む形で進化しています。でも、それぞれの役割ははっきり分かれていくでしょう。
ミームコインは、コミュニティの遊び場として、主にレイヤー2で活動を続けます。一方、DeFiは機関投資家向けの金融インフラとして、メインネットとレイヤー2を使い分けながら成長していきます。
個人的には、ミームコインへの投資は余剰資金の範囲でやるべきだと思います。ガス代込みで考えて、損失を許容できる金額だけにする。DeFiは、仕組みを理解してから少額で試すのが賢明です。スマートコントラクトのリスクは、どれだけ有名なプロジェクトでもゼロにはなりません。
2025年後半には、Pectraアップグレードが予定されています。これが実現すれば、さらにガス代が下がり、レイヤー2との連携も強化されます。イーサリアムの可能性は、まだまだ広がっていきそうです。
Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。