AI投資は「バブルだ」と言われ続けて、もう随分経ちますね。 なんとなく過熱感があるのは分かるのですが、市場はもう次のテーマを探し始めているようです。
エージェントAIって、何が違うの?
まず「エージェントAI」とは何か、ですが。 私たちが普段使う生成AIは、質問に答えたり、文章を作ったりするのが得意ですよね。
それに対してエージェントAIは、目標を与えられると、自分で考えて、判断し、実際に行動まで起こすシステムのことを指すようです。
例えば、開発者が「こういう機能が欲しい」と指示すると、AIが自らコーディングし、テストやデバッグまで完了させる。 あるいは、ECサイトで「返金してほしい」と顧客が言えば、AIがシステムに入って返金処理を自動で実行する。そんなイメージです。
自律的に動く「代理人(エージェント)」というわけですね。 これは、いろいろな業界で、今までのやり方を根本から変える力があると言われています。
AGIQ ETFの面白い中身
新しく出たAGIQは、こうしたエージェントAIに関連する企業に投資するETFです 。 構成は30銘柄ほど 。信託報酬(手数料)は年0.69%だそうです 。
面白いのは、その投資先です。 もちろん、エヌビディアやテスラ、パランティアといった、いかにもAIらしい有名企業も含まれています 。
ですが同時に、手術支援ロボットのインテュイティブ・サージカルや、AIを搭載した農業機械のディアといった企業も、主要な投資先に入っているんです 。
これは、「AIを作る企業」だけでなく、「AIをうまく使って、実際に利益を上げている企業」も重視するというメッセージに聞こえます 。
バブル議論との違いは「利益」
今のAI市場は、よく2000年頃のITバブル(ドットコムバブル)と比較されます 。 確かに過熱している面は否めません。
ただ、当時と今とでは、決定的な違いがあるようです。 それは「本物の利益」です 。
ITバブルの頃は、多くの企業が「将来性」だけを武器に、赤字のまま株価が上がっていました 。 一方、現在のAIブームを牽引しているエヌビディアやメタなどは、すでに莫大な利益を実際に生み出しています 。
もちろん、リスクがないわけではありません。 今の本当のリスクは、利益がないことよりも、ごく一部の巨大IT企業に市場が「集中しすぎている」点かもしれません 。 S&P500のような米国の主要な指数でさえ、上位数社だけで全体の3割近くを占める、といった歪な状態も指摘されています 。
AIで「何をしているか」が問われる時代
AIへの投資も、単なる期待感だけで盛り上がる時期は過ぎつつあるのかもしれません。
これからは、そのAI技術を使って「具体的に何をして、どれだけ生産性を上げたのか」が問われる。 AGIQのようなETFの登場は、そんな市場の変化を先取りしているようにも見えます。
AI関連のニュースは、これからも追いかけてみると面白そうですね。