ビットコインの保険?円安の今、気になって調べてみた


暗号資産(仮想通貨)を少し持っていますが、これって法的に「資産」としてどう扱われるんだろう、とふと思うことがあります。税金のことや、もし自分に何かあった時、家族にどう残せるのか。そんなことを考えていた時、「ビットコイン生命保険」という言葉を見かけました。


保険といえば、万が一の時に円やドルで受け取るのが当たり前だと思っていました。それをビットコインで受け取る? 円安が進んで、日本円だけで資産を持つことに漠然とした不安を感じる一方で、ビットコインは値動きが激しくて、それもまた不安です。


この新しい保険は、一体何をどう守ってくれるのでしょうか。


「Meanwhile」という新しい選択肢


気になって調べてみると、「Meanwhile(ミーンワイル)」という会社に行き着きました。ここは世界で初めて、保険料の支払いも、将来受け取る保険金も、すべてビットコイン(BTC)で完結する生命保険を扱っているそうです。怪しいサービスではなく、ちゃんとバーミューダという場所で金融当局の規制も受けて運営されています。


面白いのは、これが単なる死亡保険ではない点です。


この保険の主な目的は、インフレや、円やドルのような法定通貨の価値が下がってしまうリスクから、資産の価値を守ることにあるといいます。


さらに、加入して一定期間が経つと、自分が積み立てた保険の価値を担保にして、ビットコインを借りることもできる仕組みがあるようです。この時、税制上のメリットも考慮されているとのこと。ただ持っているだけでなく、必要な時に流動性を持たせられるのは新しい感覚です。


なぜ大手投資会社も注目するのか


こうした動きは、金融の世界でも注目されています。


例えば「ベインキャピタル・クリプト(Bain Capital Crypto)」のような大手の投資会社も、このMeanwhileに多額の投資をしています。ベインキャピタルは、以前から暗号資産関連の将来性に注目し、専門のファンドを作ってさまざまなプロジェクトに投資していることで知られています。2025年に入ってからも、Meanwhileは4月の4000万ドルに続き、10月にも8200万ドルの追加資金を集めるなど、その期待の高さがうかがえます。


日本で使うには、まだハードルがありそう


では、こうした保険が日本でもすぐに利用できるのでしょうか。


それは、まだ少し先の話になりそうです。日本では、暗号資産を扱う会社(交換業者)は、金融庁への登録が法律で義務付けられています。利用者の資産を守るための財産管理や、本人確認など、厳しいルールのもとで運営されています。


Meanwhileのような海外の新しい金融サービスが日本に入ってくるには、こうした規制をクリアする必要があります。


資産の「持ち方」を考えさせられる


今回調べてみて感じたのは、ビットコイン保険というのは、単にハッキング被害を補償する(もちろん、そうした損害保険もあります)という話を超えている、ということです。


これは、暗号資産を「投機」の対象としてだけでなく、次の世代に引き継ぐための長期的な「資産」として本格的に扱おうとする、新しい金融の試みなのかもしれません。


もちろん、ビットコイン自体の価格が急落するリスクは常にあります。でも、私たちが当たり前だと思っていた円やドルの価値も、絶対ではないと意識する機会が増えました。


そんな中で、資産を守り、未来に残すための選択肢が、金融とテクノロジーの力で静かに増え始めている。自分の資産をこれからどう管理していくか。保険という身近な切り口から、改めて考える良いきっかけになりました。


Disclaimer: 本記事は情報提供を目的としており、投資・税務・法律・会計上の助言を行うものではありません。記載内容の正確性や完全性を保証するものではなく、将来の成果を示唆するものでもありません。暗号資産への投資は価格変動が大きく、高いリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください。


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